ザ・クインテッセンス 2016年12月
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歯科医療の第4回理解しておきたい病因論 ③生活習慣に由来するリスクファクター,社会的修飾要因編-歯周病学の観点から-イノベーションを考える20年先を見据えたB:歯周炎ステージA:歯肉炎ステージプロスタノイドサイトカインMMP抗体好中球(PMN)抗原他の病的要因結合組織と骨の代謝連載3回目に解説宿主免疫-炎症反応連載3回目に解説細菌性プラーク(歯周病原細菌)連載2回目に解説疾患の発症,進行の臨床症状歯周ポケット内歯周組織内生活習慣に由来するリスク→連載4回目に解説宿主由来のリスク→連載3回目に解説①②③④今月は ココ!138the Quintessence. Vol.35 No.12/2016—2816FEATURE特 集 4築山鉄平/宮本貴成*Exploring Our New World of Periodontal Maintenance : Biology Dictates Success, Innovation Create Future.Part4 : Novel Concept : Impact of Acquired and Environmental Periodontal Risk Factors to Infection, Immunity and Inflammationキーワード:生活習慣,社会的修飾因子,喫煙,糖尿病,肥満福岡県開業 つきやま歯科医院専門医療センター連絡先:〒811‐1302 福岡県福岡市南区井尻5‐25‐6*クレイトン大学歯周病科 過去3回の連載にも示したように,歯周炎発症の過程は,Page and Kornmanによって加えられた1997年モデル(上図)1では4つのボックス間を左右に行き来するだけの単純な一方通行あるいは往復ではない.歯周病原細菌の存在が自動的に1つの宿主反応パターンを引き起こし重篤な破壊をもたらすものではないことを説明した.この宿主反応には幅があり,この幅は遺伝的・先天的リスクファクターやはじめに環境的・後天的リスクファクターによって第一に決定される1~3.そしてこのリスクファクターは主に真ん中2つの青色ボックスに作用する.このイメージしにくい2つのボックスを理解することは,単に歯周病が感染性疾患という性質以上に炎症性疾患という側面の理解につながる.今回は,歯周病のリスクファクターのなかでも生活習慣要因と社会的修飾要因について解説する.Teppei Tsukiyama, Takanari Miyamoto

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