ザ・クインテッセンス 2016年12月
8/8

はじめに Minimally Invasive Surgery(MIS)の時代になろうとも,1985年のMillerの分類1は色褪せない(図1).とくに,この分類が白眉とされるのは「病態の分類→治療結果の推測」についての言及が明確であるからだ.分類を行ったところで処置はすべて同じ,結果も予測不能ということであれば,分類は臨床的意義をもたないが,Millerの分類は実に潔く,ClassⅠ,Ⅱについては遊離歯肉移植術によって100%の根面被覆の達成が期待できるが,ClassⅢは部分的な成功にとどまり,ClassⅣになると期待できない,と言い切る.質の高い根拠がなかったにもかかわらずだ.しかし後進の研究者によって示されたシステマティックレビュー2によると,実際にClassⅠとⅡの根面被覆の成功率は約80%にも上り,そのうち約47%で完全な根面の被覆が達成されたというからMillerの臨床センスには驚嘆させられる.佐藤琢也Minimally Invasive Surgery : New Approaches to Implant and Periodontal Plastic SurgeryTakuya Satohキーワード:Minimally Invasive Surgery(MIS),Millerの分類,歯肉退縮,根面被覆大阪府開業 デンタルインプラントセンター大阪連絡先:〒538‐0044 大阪府大阪市鶴見区放出東3‐6‐9マイクロスコープで変わる歯周形成外科へのアプローチ第3回(最終回) 歯肉退縮への対応:症例の分類とMISによる根面被覆のテクニック 集中連載Minimally Invasive Surgery(MIS)Movieスマホで動画が見られる!(使い方:P7参照)P198,201図1 Millerの分類.根面被覆の予知性だけでなく,後に示すフラップデザインの選択にも役立つ.Class ⅠClass ⅡClass ⅢClass Ⅳ歯肉退縮MGJを越えないMGJに達するMGJに達するMGJに達する隣接面の骨レベル正常正常低いが,退縮した歯肉のレベルまで達していない退縮した歯肉のレベルまで達している根面被覆成功率高い高い低いきわめて低い194the Quintessence. Vol.35 No.12/2016—2872

元のページ 

page 8

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です