ザ・クインテッセンス 2017年1月
1/8

予測歯科医学の可能性患者と生涯付き合うGPこそ知っておきたいFEATURE特 集 1 疾病治療の一丁目一番地は病気の原因除去です.しかし,20世紀の歯科医療は「削る・詰める・抜く」でした.このリハビリテーション医療では疾患の原因は取り除けません.患者さんに良かれと思って行った治療が歯をダメにしてきたのではないか? という反省から,できるだけ削らないミニマル・インターベンションのカリオロジーが2000年頃から日本にも導入されました.さらに,なくしたものを取り戻す再生歯科医療も現実のものとなってきました.そして,「なくさない」ための予防歯科医療も21世紀の歯科医療には欠かせないものになります(図1). 21世紀の予防歯科医療に期待されるパラダイムシフトは予測歯科医学の実現です.予測歯科医学とは,若年期に口腔疾患発症リスクを客観的・定性的に評価し,リスクに応じた予防策を提供し,遠い将来の発症を未然に防ぐことを目的としています(図2).全身の健康を支える健口を生涯守り,よりよく“食べる・暮らす・生きる”を可能にするために,予測歯科医学は大いに効果を発揮すると考えられます(図3).1予測歯科医学とは■21世紀の歯科医療■予測歯科医学とは「削る・詰める・抜く」 医療 「取り戻す」▼再生歯科医療「防ぎ守る」▼予防歯科医療 21世紀のパラダイムシフト将来の発症リスクを若年期に評価予測歯科医学確実な予防処置を提供この子は将来のリスクは…図1図244the Quintessence. Vol.36 No.1/2017—0044

元のページ 

page 1

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です