ザ・クインテッセンス 2017年1月
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今,インプラントの咬合を再考する今,インプラントの咬合を再考するはじめに Brånemark1より開発されたオッセオインテグレーテッドインプラントが日本に導入されてから約30年が経過した.その高い成功率から,現在では,欠損補綴の選択肢のひとつとして広く認知されている. 1978年,米国ハーバード大学において,歯科用インプラントのカンファレンスが開催されている2.このカンファレンスでは,サンプル数が40以上で装着5年後に75%が機能することをインプラントの成功と定義している.対象となったインプラントは,骨膜下インプラント(Subperiosteal Implants),ステープルインプラント(Staple Implants),骨貫通インプラント(Transosteal Implants),ガラス状カーボンインプラント(Vitreous Carbon Implants),ブレードイ東京医科歯科大学歯学部附属病院高齢者歯科学分野連絡先:〒113-8549 東京都文京区湯島1-5-45小林賢一Occlusion and Occlusal Considerations in Implant TherapyKen'ichi Kobayashiキーワード: インプラント,天然歯,オーバーロードンプラント(Blade Implants)である.ブローネマルクシステムのインプラントが北米に紹介されたのは,1982年であり3,当然リストにはその名前はない.バイコルチカルタイプのインプラントであるステープルインプラント,骨貫通インプラントは,前者はコンセンサスが得られず,後者はサンプル数が少ないので,3年後の成功率が50%と低いガラス状カーボンインプラントとともに臨床試験を勧告されている.骨膜下インプラントとブレードインプラントが従来の治療方法では成功が考えられない症例を対象とする制限付きで推奨されている. これに対し,ブローネマルクインプラントの成功率は高く4,5,Adell6は,Jouranl of Prosthetic Dentistryに5~10年間の成功率は,上顎で81%,下顎で91%と報告している. しかし,それでもインプラントは失敗することがある.これには,その時期により,オッセオインテFEATURE特 集 366the Quintessence. Vol.36 No.1/2017—0066

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