ザ・クインテッセンス 2017年2月
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歯内療法10分間テスト臨床力アップ!診断力新連載歯内療法10分間テスト臨床力アップ!診断連載*1東京都開業 山内歯科医院,*2東京都開業 吉岡デンタルオフィス代表連絡先:*1〒164‐0003 東京都中野区東中野4‐4‐3‐2F執筆:山内隆守*1/監修:吉岡隆知*2第2回根管が狭窄している本連載は毎月,歯内療法の1症例の口腔内写真,デンタルエックス線写真,CBCT画像などの資料を提示し,歯内療法における診断名および治療名を考えてもらう欄である(吉岡).主訴:根管狭窄による治療依頼.患歯:上顎左側第二小臼歯.現病歴:前医にて1か月前にう蝕が深く抜髄処置と 初診時には打診に対して軽度の痛みを感じていた.自発痛,根尖相当部歯肉の圧痛,咬合痛はなかった.歯周ポケットは正常の範囲内であった.前医にて抜なった.担当医は処置の際,ファイル挿入時に通常の感覚とは異なり容易に進まず,根管が狭窄していると考えたため,専門医(当院)に紹介した.髄されていたために歯髄診は行わなかった.患歯は仮封がされていた.初診時のデンタルエックス線写真(図1)を示す.以下の症例に対する,診断(歯髄腔,根尖部,その他)および治療方針は?概要 現症 *診断名,治療名(治療方針)の候補については,2017年1月号を参照.図1 初診時のデンタルエックス線写真とその読影の注意点.歯根膜腔の拡大,根尖部透過像あるいは骨硬化像などの異常所見は見られなかった.根管治療が行われているため,歯髄腔は拡大されている.第二小臼歯の歯根膜腔を歯頸部から根尖方向に追っていくと二重に見える部分がある(矢印部).第一大臼歯は前医にて抜髄してあり,現在は仮封となっている.黒い弧状の線(赤線矢印)はアーチファクトである.答は次頁に......125the Quintessence. Vol.36 No.2/2017—0339

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