ザ・クインテッセンス 2017年4月
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GTATCAATTGAGGTAAAGATTACTTGACTAAATATTAAATTGAGACTAAAGTAAAGATTACT の細菌叢とははじめに 歯科界におけるインプラントの登場は,歯を失ったヒトのQOLを大きく向上させる画期的な治療法であった.医療制度の違いといった背景はあるが,米国ではすでに300万人がインプラント治療を受けており,また1年間で50万人がインプラント治療を受けていることが報告されている1. 一方で,インプラント治療により得られる絶大なる恩恵を歯科医師と患者がともに求めるあまり,自身の歯のメインテナンスや保存が疎かにされているようにも感じる.そしてこれはインプラント周囲炎といった治療後のトラブル増加にもつながり,結果としてヒトが自ら歯周炎と類似した疾患を新たに作ってしまうこととなった.いまだにインプラント周囲炎の治療法は確立されていないだけでなく,歯周病と同様にプラークが主因となり引き起こされる本疾患が全身疾患と関連する可能性も大いにあると危惧されている.インプラント周囲炎の影響によるQOLの低下を防ぐためには,その治療法の確立および原因の究明が喫緊の課題であり,その発見は予防にもつながると考えられる. 本稿では,インプラント周囲炎の原因菌(Interacting core taxa)について,われわれの研究から明らかになったことと今後の展望について述べる.87the Quintessence. Vol.36 No.4/2017—0757

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