ザ・クインテッセンス 2017年5月
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歯内療法10分間テスト臨床力アップ!診断力新連載力歯内療法10分間テスト臨床力アップ!診断連載東京都開業 吉岡デンタルオフィス連絡先:〒101‐0062 東京都千代田区神田駿河台2‐3‐13 鈴木ビル1F吉岡隆知第5回上顎右側中切歯の変色と根尖部の腫脹本連載は毎月,歯内療法の1症例の口腔内写真,デンタルエックス線写真,CBCT画像などの資料を提示し,歯内療法における診断名および治療名を考えてもらう欄である(吉岡).主訴:上顎右側中切歯が変色し,根尖部が腫れた.患歯:上顎右側中切歯.現病歴:患者は19歳,女性.2年前に他院から外傷歯への対応依頼で来院した.当院初診の1週間前に旅行先で転倒し,前歯が破折(図1).デンタルエックス線写真では,根尖部に異常所見を認めなかった(図2).経過観察をしていると,受傷後4か月で上顎右側中切歯,左側中切歯および側切歯に根尖部透過像が出現した(図3).このうち,歯髄症状の現れた上顎左側中切歯と側切歯の根管治療を行った(図4).根管治療歯は,ウォーキングブリーチ法にて漂白後にレジン充填を行い,経過観察した(図5). 上顎右側中切歯は当初,打診痛があったが消失した.根尖部透過像が認められたものの,歯髄診(+)であり,経過観察を継続することとなった.以下の症例に対する,診断(歯髄腔,根尖部,その他)および治療方針は?概要 *診断名,治療名(治療方針)の候補については,2017年1月号を参照.図1 初診時の口腔内写真.図2 初診時のデンタルエックス線写真.図3 初診より4か月のデンタルエックス線写真.146the Quintessence. Vol.36 No.5/2017—1050

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