ザ・クインテッセンス 2017年6月
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病変の臨床基準 1972年Simonら1は,エンド・ペリオ病変を病因に基づき分類した論文を「Journal of Periodontology」に発表したが,じつに41年を経た2013年に,今度は「Journal of Endodontics」にそのままの形で再掲載された2.筆者の知るところでは,米国歯周病学会誌と米国歯内療法学会誌の双方にまったく同じ論文が掲載されることは非常に稀であると思い,なぜ今,米国歯内療法学会誌だったのか? その意味を考えてみることにした.1963年,エンドの大家であるShilderは,米・フィラデルフィアで開催された国際会議において,「歯内療法の専門医は,ある意味では根尖部における歯周病医であり,歯周病の評価を軽視することはできない」と提言したが3,歯周病と歯内疾患の領域は関係が深いため,互いの領域についてもっと知るべきであると考えたのかもしれない.ている.本来,臨床では,保存を検討している歯に対して,歯列や咬合,残存歯質量と質,患者の価値観などといった視点からも,多角的に検討すべきであるが,本稿では誌面の都合上,このことには触れていないことをお許しいただきたい.1エンド・ペリオ病変の分類67the Quintessence. Vol.36 No.6/2017—1213

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