ザ・クインテッセンス 2017年6月
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高めよう!Keiichi TsukinokiNew Health Promotion Based on the Salivary Grand─Increase of Saliva Power in Patientsキーワード: 唾液,IgA,全身の健康槻木恵一神奈川歯科大学大学院歯学研究科口腔科学講座環境病理学連絡先:〒238‐8580 神奈川県横須賀市稲岡町82Movieスマホで動画が見られる!(使い方:P3参照)P88,89唾液力という新しいコンセプト献する可能性が示されており,この研究は口腔と全身の健康づくりのために,歯科が唾液腺にもっと関与していくべきであることを示している(図1).さらに血中の成分は,唾液中に移行する.このことは,唾液から血液中の生体情報を知ることができることを示している.これらのことから,唾液の量だけでなく成分の重要性,すなわち「質」に注目するべきとの考えを筆者は提唱している(図2). そこで本企画では,口腔や全身の健康づくりに役立っている唾液中のIgAについて最新の研究成果を解説し,歯科医院で進めたい唾液腺を軸とした健康増進法と今後の展望について紹介する.量質(成分)唾液の力は量だけではない!唾液力図2 唾液は単なる水分ではなく機能水であり,機能を担う成分がきわめて重要である.「唾液力」は量だけでなく質を加味した新しい考え方である.唾液腺に対しては,量を出すアプローチだけでなく質を変えるアプローチも歯科の役割といえる.83the Quintessence. Vol.36 No.6/2017—1229

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