ザ・クインテッセンス 2017年8月号
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12345歯根端切除術へのアプローチ5つの切開と考慮点Masahiko KanenariApproach for Apicoectomy-Using Five Incision and Considerationキーワード:歯根端切除術,半月形切開,三角形切開,扇形切開,エンベロップ形切開,MI形切開金成雅彦山口県開業 クリスタル歯科連絡先:〒747‐0834 山口県防府市田島663‐10特 集 1 しかし,根管内の歯髄の形態は複雑であり(図1),解剖学的形態としては,湾曲,イスムス,フィン,根管側枝,管間側枝,根尖分岐,網状根管があり(図2,3),下顎の第二大臼歯は,われわれアジア人の特徴的な形態である樋状根管も存在する(図4).現在,歯内療法を行ううえでは,超音波機器(図5)やマイクロスコープ(図6)の使用により感染歯質の可及的除去を行うが,その効果にも限界があり,術後に歯根尖もしくは歯根側壁に病変を呈する症例に遭遇することもある3.その場合,解剖学的制約がなければ,歯の予知性をさらに高めるうえで歯根端切除術をする必要性がある.今回,その切開ラインに的を絞ったアプローチ法について論じてみたい.はじめに 一般的な歯科臨床において根管治療は日常的に施術されている術式であろう.その原因は,う蝕,歯周病,外傷,補綴的要因など多岐にわたり,患者の口腔内を総合的に治療し,天然歯の予知性を高めるうえでは必要かつ重要な治療法といえる1.その治療レベルは,1998年に米国の歯内治療専門医にマイクロスコープの使用が義務づけられたように,年々高度化し,根管治療の成功率も21世紀になってから飛躍的に伸びた要因としてマイクロスコープの使用が挙げられるであろう2.48the Quintessence. Vol.36 No.8/2017—1666

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