ザ・クインテッセンス 2017年9月号
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への対応67the Quintessence. Vol.36 No.9/2017—1915敏への処置,とくに上顎臼歯部などは非常に困難であることが認識されており,治療というよりは予防・進行抑制的なアプローチが主とならざるをえないと考えられる.すなわち,「う窩発生以前の取り組み」に対するメルクマールが必要といえる. そこで,高齢者の根面う蝕や知覚過敏の予防はどこまで可能なのか,またフッ化物塗布,各種薬剤塗布,フロアブルレジンやグラスアイオノマーセメントのなかで,なにが有効なのかを考察してみたい.高齢者の根面う蝕,知覚過敏の予防はどこまで可能か❶ 超高齢社会を迎え,中~高年者の保有歯数の増加にともなって,日常的にその治療を行う頻度がきわめて高くなっている.厚生労働省の歯科疾患実態調査1でも,経年的に高齢者におけるう蝕有病者率の上昇が報告されており,また,わが国の60~78歳の高齢者287名を対象とした疫学調査2では,根面う

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