ザ・クインテッセンス 2017年10月号
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特 集 1分野」という固着観念があったからだ. しかし,咽頭に隣接する歯科として,軟組織の問題,下顎の位置,咬合とのかかわり,欧米人とアジア系の人の骨格の違い,加えて現代の食文化での顎骨格的問題などを考慮すると,OSASはわれわれの臨床でも決して「縁遠い分野」ではないのである. OSASの治療においては,まだまだ経験の浅い筆者だが症例を通して本稿にまとめることで,筆者自身も「一般臨床医ができること」,「気をつけるべきこと」など,咬合の臨床的立場から,今回提示したいと考えている. 成人の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea syndrome:以下OSAS)は,睡眠中に無呼吸があるため,睡眠の質が悪く,日中に眠気があり,事故を起こしやすいなど,社会生活に対する影響はよく知られていたが,生命予後に関する身体への影響をメディアで取りあげるようになったのは近年である. 咬合について,過去に本誌にて執筆したことはあるが,今回,前編と後編にわたって咬合とOSASの関係についてまとめることになるとは,筆者自身が驚いている.なぜなら「OSASは専門医に任せる咬合治療の臨床的観点から閉塞性睡眠時無呼吸はじめにToshihiro Imai / Mayumi ImaiGet A Hint of Occlusal Treatment from OSASキーワード:咬合治療,口腔内容量,閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)今井俊広/今井真弓鳥取県開業 今井歯科クリニック連絡先:〒683‐0853 鳥取県米子市両三柳2033前編:OSASの原因と歯科的アプローチの実際SPEAKER’S ARTICLE第8回 日本国際歯科大会2018Aホール10/6(SAT)午前56the Quintessence. Vol.36 No.10/2017—2126

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