ザ・クインテッセンス 2017年12月号
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審美だけでなく機能という視点から第 2 回診断がすべて─なぜ今,MRI が必要なのか?矯正歯科治療の今特 集 3いては,ナソロジーの機械的咬合論から始まり,機能的咬合論などにより中心位,顆頭安定位,マイオセントリックなどのさまざまな定義がなされてきた.しかし,現在の歯科臨床において唯一無二の定義はなく,治療計画を立案するために必要な患者個々の顎口腔領域に潜在する問題点さえも術者によって評価が異なるのが現状である. 顎関節は下顎位の構成要素であり,その状態により咬合接触と同様に下顎位に影響を及ぼすものであるにもかかわらず,何らかの顎関節症状を有する患者に対する従来の顎関節診断は,触診や聴診など外関節の診断の重要性 咬合再構成時におけるわれわれの共通目標は,安定した下顎位で安定した歯牙接触を与えることである.口腔内で早期接触などは認められず,顎関節に自覚および他覚症状がなく安定した下顎位が認められる症例であれば問題ないが,われわれが診療する不正咬合患者のなかには顎関節症状を有し,咬合再構成時の治療的顎位の設定に苦慮することが少なくない.過去に多くの議論がなされてきた下顎位につMovieスマホで動画が見られる!(使い方:P3参照)P106Tatsuyuki ShibusawaOrthodontic Treatment - Function as well as Aestheticsキーワード:治療のゴール,機能的安定位,MRI渋澤龍之東京都開業 渋澤矯正歯科連絡先:〒152‐0035 東京都目黒区自由が丘1‐29‐14 J・frontビル3階SPEAKER’S ARTICLE第8回 日本国際歯科大会2018Gホール10/6(SAT)午後98the Quintessence. Vol.36 No.12/2017—2628

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