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評者:鷹岡竜一(東京都・鷹岡歯科医院) 肉芽組織への招待は下野正基先生の総論から始まる.肉芽組織は,多くの臨床医が日常的に目にする臨床像であるが,頭に「不良」と付け加えた方がなじみが深い. 本書は, 総論,ペリオ( 2項目),抜歯,エンド,GBR,インプラント周囲炎と7つのCHAPTERで構成され,それぞれの分野で活躍されている研究者・臨床医が,肉芽組織との関わり合いを論じている.そもそも肉芽組織という切り口で構成された書籍自体がなかったこともあるが,簡潔・明解で,読者を惹きつける上手な仕掛けが施されている. このプロジェクトの発端は,「不良肉芽」なる用語への問いかけのようにさえ思える.冒頭から,肉芽組織とは治癒した組織,すなわち「優良」な組織で,私たちが頻繁に使う「不良肉芽」という文言は適切ではなく,正確には「炎症をともなう組織(もしくは感染した組織)」と呼ぶべきであると提唱している.また,肉芽組織が関与する病変として①創傷治癒,②組織欠損の補充,③異物処理,④炎症を挙げ,除去すべきは「炎症をともなう肉芽組織」であり,前記①~③で現れた肉芽組織とは分けて考えるべきとしている. CHAPTER 2 の「歯周病と肉芽( 1 )」では, 徹底したプラークコントロールを行い「ぬれた歯肉」から「乾いた歯肉」へ変化したときがSRP開始の時期であり, この時期が「炎症をともなわない肉芽組織」を掻爬しないタイミングであるという知見を紹介している. 一方,CHAPTER 3 の「歯周病と肉芽( 2 )」では歯周炎の本質を考えればバイオフィルム,歯石・感染セメント質,慢性炎症性組織(不良肉芽)を除去することの必要性が提示されている. CHAPTER 4 では抜歯窩の治癒過程に肉芽組織は必須であるが,炎症性肉芽組織の取り残しは抜歯窩の骨化を妨げることが述べられている. CHAPTER 5 ではあまり語られてこなかったエンド領域での肉芽の話題だ.根尖病変の肉芽組織は根尖孔を経由した根尖周囲組織の反応であり,根管からの細菌の刺激を遮断すると病変は治癒に向かうという見解から最近話題のリバスクラリゼーションや穿孔・外部吸収まで網羅している. CHAPTER 6 および7 のGBR,インプラント周囲炎では,人為的な介入がなければ起きない疾患という認識をもつことが大切で,感染した肉芽組織は除去すべきとしている. 全編にわたり,豊富な基礎資料とあえて文字を少なくした読みやすい構成は,臨床経験の浅い者にも伝わるようにという編者の思いであろう.穏やかな口調で語られる解説と臨床観察に根ざした緩まぬ好奇心に多くの臨床医が心酔する下野正基先生だからこそ,すばらしい著者らが集結し本書が綴られている.次の下野臨床病理学は,どのような切り口で展開するのか待ち遠しいと感じるのは評者だけではないだろう.本書はプロローグに過ぎないと理解している.
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