新聞クイント2016年3月(お試し版)
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2016年3月10日(木) 第243号2かかりつけ歯科医機能強化型?…… 絵 山香和信 今月のニュース政 治 今月のニュース政 治日本学校歯科医会会長予備選挙の当選者丸山進一郎東京都開業子どもたちの健全な口腔機能の育成に尽力したい 2月3日(水)、一般社団法人日本学校歯科医会の会長予備選挙の開票が行われ、元専務理事の丸山進一郎氏(東京都開業)が78票を獲得して当選した。本欄では、丸山氏に今後の日本学校歯科医会の会務運営ならびに、子どもの歯や口の健康づくりに大きくかかわる学校歯科医のあり方についてうかがった。丸山:3月23日に開催される第89回臨時総会の信任投票で正式に会長となりますが、今回の選挙は、私が考える本来あるべき学校歯科医会のあり方が代表会員の選挙人に支持されたものと思っています。 今後の会務運営についてはさまざまな課題が山積していますが、喫緊の対応は会員の先生方により早く正しい情報を発信する会務の透明化と考えています。 そして、学校歯科医生涯研修制度のさらなる充実と完成を目指したいと考えています。学校歯科医が学校の中で受けもつ仕事は「歯科保健教育」「歯科保健管理」「組織活動」にまたがっていますが、歯科保健管理に関する歯や口の健康診断のみを行う学校歯科医ではなく、次世代を担う子どもたちの健康づくりに寄与・貢献できる学校歯科医をしっかり評価できる制度を作り上げたい。そうすることで、教育者としての意識がさらに高まっていくのではないかと思っています。 学校歯科健診は、それぞれの子どもの健康課題をもとに健康教育を行うための教材を見つけることが目的の1つです。かかりつけ歯科医が行うような精密な検診ではなく、あくまでもスクリーニング検査ですが、親御さんが学校歯科健診とかかりつけ歯科医で行う検診を同類と認識してしまうことで、歯科医院への定期的な受診につながらず、重症化するケースがあります。 ですから、学校歯科健診の本来の目的を国民に対して正しく伝えていくことが必要ですし、また近年では、歯科における児童虐待の早期発見の重要性も注目されています。地域のかかりつけ歯科医と学校歯科医との十分な連携のもと、正しい情報発信に努めたいと思っています。まるやま・しんいちろう1977年、日本歯科大学卒業。1995年、日本歯科大学歯学博士(歯科麻酔学)。2005年、日本小児歯科学会専門医指導医。日本学校歯科医師会常務理事・専務理事を歴任。2014年5月より、全国小児歯科開業医会会長も務める。 本年1月、平成27年度学校保健統計調査の速報値が公表され、12歳の永久歯の一人当たり平均う歯等数は過去最低の0.90本となりました。子どものう蝕罹患率が減少してきていることは喜ばしいことですが、子どもたちが抱えている問題として、歯肉炎の増加や咀嚼を含めた口腔機能の問題などが指摘されています。疾患にならないように予防するという価値観が広まっていくことで、歯科医院への受診率も高まっていくと思いますし、子どもたちの健全な口腔機能の育成は私たち学校歯科医としての大切な役割です。 その他として、公益法人化の実現を加速させ、学術団体としても関連学会とのさらなる連携に力を入れたいと思っています。日本歯科医師会会長予備選挙に当選した堀氏。支援歯科診療所の評価、栄養サポートチーム連携加算)● 同一世帯への訪問歯科診療や20分規制への実態に合わせた対応◆ 口腔疾患の重症化予防・口腔機能低下への対応、生活の質に配慮した歯科医療の充実● 歯科外来診療環境体制加算のさらなる推進● 歯科治療総合医療管理料(Ⅱ)・在宅患者歯科治療総合医療管理料(Ⅱ)の新設(必要に応じたバイタルサインのモニタリング)(1面より続く)医療連携・多職種連携の強化●周術期口腔機能管理等の充実● 院内・院外の歯科医師による栄養サポートチームへの参加(医科点数表)● 栄養サポートチームに連動する訪問歯科診療の評価◆質の高い在宅医療● 在宅医療専門の歯科医療機関の開設(専門医機能を開設・算定要件)● 医療連携やかかりつけ機能を重視した在宅歯科医療の推進(かかりつけ歯科医機能強化型診療所や在宅療養●糖尿病患者への歯周治療の充実●フッ化歯面塗布処置の拡大・充実● 舌圧検査の評価(舌接触補助床装置患者に限る)● 医学管理等における文書提供要件の実態に合わせた見直し● 難治性の根管治療における歯科用3次元CT及び手術用顕微鏡の評価● 補綴時診断料の実態に合わせた見直し● 金属アレルギーを有する患者に対する硬質レジンジャケット冠、CAD/CAM冠の大臼歯への拡大●歯科技工加算の充実◆新規医療技術の保険導入等● レジン前装金属冠の小臼歯への拡大(ブリッジの支台歯となる第1小臼歯に限る)●歯冠補綴時色調採得検査● ファイバーポスト導入に伴う技術●口蓋補綴・顎補綴の充実● 有床義歯咀嚼機能検査の評価(先進医療よりの導入) 詳細については、4月上旬刊行予定の『歯科保険請求2016』(小社刊)をご参照いただきたい。堀 憲郎氏が日歯理事候補者24名を選挙管理委員会に提出 日本歯科医師会会長予備選挙の当選者である堀 憲郎氏(新潟県開業)は、1月21日(木)、新執行部となる理事候補者24名の名簿を選挙管理委員会(林 一郎委員長)に提出した。なお、日本歯科医師会は、きたる3月10日(木)、11日(金)の両日に開催する第182回臨時代議員会において、理事候補者を議案として上程し、代議員による選任が行われる。以下に氏名と所属を示す(届出順、敬称略)。 堀 憲郎(新潟県)/青柳裕易(神奈川県)/阿部義和(岐阜県)/池村雄介(東京都)/今里憲弘(福岡県)/遠藤秀樹(福島県)/片山繁樹(神奈川県)/小玉 剛(東京都)/小林慶太(千葉県)/小山茂幸(山口県)/佐藤修斎(徳島県)/佐藤 保(岩手県)/重城正敏(宮崎県)/杉山茂夫(千葉県)/瀬古口精良(大阪府)/髙野直久(東京都)/中西康裕(愛知県)/細谷仁憲(宮城県)/牧野利彦(大阪府)/村岡宜明(神奈川県)/柳川忠廣(静岡県)/山口武之(新潟県)/山﨑安仁(富山県)/吉位 尚(兵庫県)

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