新聞クイント2016年8月(お試し版)
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2016年8月10日(水) 第248号1〈発行所〉〒113-0033 東京都文京区本郷3丁目2番6号 クイントハウスビル                    TEL : 03-5842-2270(大代表)新聞クイント編集部 TEL : 03-5842-2280 FAX : 03-5800-7597 Email : news-q@quint-j.co.jp〈購読料〉1部200円(税別) ※新聞クイントの速配のご希望を承ります。 年間購読料 : 2,400円(税別 ・ 送料別)20168毎月1回10日発行第248号平成28年8月10日http://www.quint-j.co.jp/歯科のコミュニケーションサイトクインテッセンス出版の書籍・雑誌は、歯学書専用通販サイト『歯学書.COM』にてご購入いただけます。女性歯科臨床家が学びやすい環境を協創したい柳井智恵日本歯科大学附属病院教授2連 載今・躍動する日本の歯科学会番外編:日本歯科医師連盟高橋英登4歯科人の安らぎ噛みしめグ・ル・メ山口彩子51分間コラム槇 宏太郎インフォメーション新製品情報広 告株式会社モリタ2016年度モリタ友の会入会受付中!モリタ創業100周年記念シンポジウム67株式会社東京技研社 会 今月のニュース政 治8 ~ 名刺広告―歯科界より夏のご挨拶―暑中お見舞い的援用、身内である歯科医療者の「内部告発」的表現記事は、総体として偏りすぎている。 これら記事の中には、日々身を削って歯科医学を継続的に研究し、医術の熟達を図る歯科医師は登場しない。また、患者 最近、一部週刊誌などで「充分な歯科医学知識・熟達した医術ももたず医療倫理に悖もとる治療を行い、儲け主義に走る歯科医師が多数存在する」「その結果として、多くの国民が後遺症に苦しめられ社会問題化している」との歯ネガティブ報道には毅然とした対応を科医療記事が散見される。結果、多くの国民は歯科治療に対して、疑念・不信を募らせる結果となり、歯科医療需要の潜在化を増幅している。 そもそも一部患者さんからの取材、学会発表データの一面的評価・ご都合さんからの不安・苦情に対して誠心誠意対応し、その結果、患者さんから逆に厚い信頼を得ている多くの歯科医師も登場しない。さらに、矛盾だらけの保険医療制度の中で、採算度外視でも最良の歯科医療を行い、患者さんから感謝され慕われている歯科医師も登場しない。 表現・報道の自由は絶対的権利であるが、その裏には反論・反証の権利が存在する。歯科界に対してたびたび行われるネガティブ・キャンペーンに対して、日本歯科医師会・日本歯科医学会および各学会は、これら記事に対して反論・反証を行うべきではないか。 正すべき点があれば積極的に自浄し、正当性を主張すべき点はあらゆるツールを駆使して毅然とした態度で国民に果敢に発信する。これこそ歯科医療者の国民に対する崇高な使命であると考える。 (赤石健司)堀会長、骨太の方針2016に関する見解を示す日歯定例会見 6月23日(木)、歯科医師会館において、日本歯科医師会(以下、日歯、堀 憲郎会長)による定例記者会見が開催された。 堀 憲郎会長は、政府がさる6月2日(木)に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2016」(いわゆる骨太の方針)の歯科にかかわる問題について触れ、9項目にわたり日歯の見解を明らかにした。その内容を右記に示す。① 国民皆保険・皆年金制度の維持:世界に冠たる国民皆保険・皆年金を維持し、次世代に引き渡すことを目指す。わが国の社会保障に関する国是として今後とも堅持していく。② 消費税の引き上げ再延期:引き上げを前提に推進してきた社会保障の安定・充実に関する多くの施策・計画に破綻をきたすことがないように、消費税に代わる財源の確保が必要。③ 地域医療構想:地域の実態に即した医療・介護提供体制の構築は、地域完結型医療を目指す施策と理解している。一方で、過度な格差是正を進めることで地域医療の推進を阻害しないように慎重な対応を求めたい。④ 地域医療介護総合確保基金:病床の機能分化・連携の推進が継続されているが、外来診療が中心の歯科にとっては必ずしも活用が十分ではないと認識している。さらに、近年の医療費抑制政策の影響もあり、地域の歯科医療は厳しくなると危惧されることから、地域包括ケアシステムにおいて歯科医療のかかわりが発揮できるように、たとえば在宅歯科医療の推進や人材確保というところでも、基金が十分活用されるように求めていく。⑤ 医療保険と介護保険:給付調整や請求など、とくに歯科ではどの部分が医療保険や介護保険でカバーされているのか不明確なところがある。不合理で煩雑な部分も存在するため、つぎの同時改定の課題である医療と介護の“見える化”の中で、患者本位の円滑な対応ができるよう求めていきたい。⑥ 健診データ等の活用:継続的な歯科医療が糖尿病や肺炎など、医科の疾患の重症化予防や認知症の発症予防にもつながるということがデータで示されているが、健診などのデータ活用が遅れている。整備を求めるとともに、国民のライフステージにおける各健診データを一元管理できるような仕組みが、今後の検討課題ではないかと考える。⑦ 審査・支払機関のあり方の検討:現場の医療提供は多種多様であって、あくまで患者本位でなければならないと考えている。審査の判断基準で明らかに不合理な格差の是正は、当然あってしかるべきである。単純に効率化だけを求めて医療の多様性を否定して、臨床医療が窮屈になることがないように慎重な議論をお願いしていく。⑧ 高齢者のフレイル対策:口腔機能にかかわるフレイル対策が重要であることは、関係方面の共通認識となっている。学会とも連携してエビデンスを整理しつつ、運動として「オーラル・フレイル」を推進し、歯科とのかかわりへ理解を求めていきたい。⑨ 医療従事者の需給の見通し:歯科医師の資質向上等に関する検討会の議論や、今後公表予定の報告書について、とくに新規参入の歯科医師の資質が担保されるよう、引き続き関係省庁も含めて働きかけをしていきたい。

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