新聞クイント2016年10月(お試し版)
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2016年10月10日(月) 第250号2 今月のニュース企 業 今月のニュース同窓会働き方の多様性を発信する歯科技工士藤井未来東京都歯科技工所勤務歯科技工士だからできる自分らしい働き方を!! 近年、女性の歯科医療従事者の活躍が著しい。本欄では本年すでに女性の歯科助手、歯科衛生士、歯科医師を取り上げさせていただいているが、歯科技工士・藤井未来氏(東京都歯科技工所勤務)もその一人だ。全国の歯科技工士会の講師として「女性が歯科技工士を続けるために」などをテーマに、自身の経験をありのままに語る内容が好評を博している。歯科技工士という匠の世界で活躍する藤井氏の働き方は、きっと一個人のみならず業界にとっても大きなプラスになるに違いない。藤井:最近、さまざまな歯科技工士会で講演させていただいています。とはいっても、歯科技工に関するテクニカルな話ではありません。そのような内容であれば私よりふさわしい優秀な歯科技工士がたくさんいらっしゃいますので、私にしか伝えることができない働き方が少しでも参考になればと思って、お話しさせていただいています。現在、歯科技工士学校の入学者数が減少していますが、私はせっかく手に職を付けようと決心してこの業界に飛び込んできた若い歯科技工士が数年で離職するような環境を少しでも改善することこそ、重要だと思っています。 私が2人の子どもを育てながらこれまで歯科技工士という仕事を続けられてきている理由は、もちろん家族や周りの人々の理解や協力なしには語ることはできませんが、男女問わず1 人の歯科技工士として、自分の技術1つで評価される職人の世界であることこそ、もっとも大きな理由です。 仕事においては、労働環境が原因で離職することがないように、子育てしながら歯科技工士を続けられる環境を目指して会社と前向きに話し合い、子どもの成長に応じて少しずつ変えながら作り上げてきました。 そのような経験から講演の中では、いちばん伝えたいメッセージとして、「どんなに業界のデジタル化が進んでも、人対人は普遍的にアナログなもの。だから、きちんと1人1人とかかわり、向き合い、その人とその会社とでオリジナルの働き方を見つけ出してほしい」ということを強調しています。 何かを得るためには何かを犠牲にすふじい・みき1997年、横浜歯科技術専門学校卒業。埼玉県ならびに都内歯科技工所勤務を経て、卒後14年半務めた有限会社タマ・デンタルサービスに2016年より再び勤務。青嶋ゼミ ベーシック・アドバンスコース、湯浅セミナー、にしむら塾東京修了。るという考え方がありますが、私は欲張りなのでどれもあきらめたくありません。そのために、歯科技工士の仕事も家事も合理化し、限られた時間の中でその日その日のタイムスケジュールをうまく組み合わせ、徹底的に集中することで「患者さんに喜ばれる歯科技工物を製作する時間」と「子育てのための時間」を作り出す道をずっと考えてきました。 少子超高齢社会を迎え、子育てだけなく介護もこれからますます身近な問題になってくることは間違いありません。歯科技工士に限らず同じ悩みを抱えている歯科医療従事者はいらっしゃると思います。院長やラボ経営者の方々も含め、時代のニーズに応じた働き方について真剣に考える時代ではないでしょうか。歯科医院は町の健康ステーションへ…… 絵 山香和信式辞を述べる中村睦夫会長。創立40周年記念式典・祝賀会を開催明海大学歯学部同窓会 9月11日(日)、グランドプリンスホテル新高輪(東京都)において、明海大学歯学部同窓会創立40周年記念式典・祝賀会(中村睦夫会長)が「繋ぐ~新たな意志で、未来に向けて~」のテーマのもと開催され、全国各地から同窓会会員、全国歯科大学同窓・校友会関係者など多数が参集した。 開式後、中村睦夫会長は式辞の中で、同窓会40周年の歴史や変遷について紹介しながら、「今後50年、100年と永続していくために研鑚に努めていきたい」と述べた。引き続き、明海大学を代表し、宮田 淳氏(学校法人明海大学理事長)は祝辞の中で、「本大学の歯学部そして卒業生がそれぞれの地域で力強く活躍されている姿を拝見することが大学にとって名誉なことである」と述べ、卒業生のさらなる活躍に期待を寄せた。その後、柳川忠廣氏(日本歯科医師会副会長)と村上慎一郎氏(鹿児島大学歯学部同窓会会長)による祝辞も披露された。 式典終了後には、会場を移して記念祝賀会も開催されるなど、40周年を祝うにふさわしい会となった。 9月13日(火)、株式会社クラレ東京本社(東京都)において、株式会社クラレ(伊藤正明代表取締役社長)による記者会見が開催された。会見では、2012年4月にクラレメディカルとノリタケデンタルサプライの統合によって発足したクラレノリタケデンタル(有川清之代表取締役社長)の事業と今後の展開について、多賀敬治氏(株式会社クラレメディカル事業部長)を中心に説明がなされた。 多賀氏は、近年の脱金属・デジタル化の潮流からCAD/CAMビジネスへのさらなる注力と拡大を強調した。また、CAD/CAM用材料のみならず機器ならびに接着材料をあわせた修復システムがトータルで提供できることで関連分野の成長も見込めるとした。さらに、きたる9月21日(水)より発売される支台築造用ファイバーポスト「クリアフィル®ADファイバーポスト」(保険適用材料)や、10月21日(金)発売予定であるボンディング材「クリアフィル®ユニバーサルボンドQuick」など、上市する新製品も紹介した。今後の展開として、高審美性・脱金属を目指した材料や技術の研究・開発をはじめ、知覚過敏抑制材やう蝕検知液など、超高齢社会における高齢者への対応や予防にも取り組んでいくとのこと。 クラレノリタケデンタル社の強みである歯科接着分野とセラミック分野におけるさらなる拡大と強化を中期経営計画の基本方針に掲げ、クラレ社のトップが記者会見に出席していることからも歯科領域への自信と期待値の高さがうかがえる。クラレ社の「世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる」という企業文化のもと、国内外で存在感を示す同グループの今後に期待が高まる。歯科領域の事業展開に自信株式会社クラレ冒頭に挨拶する代表取締役社長の伊藤正明氏。

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