新聞クイント2017年1月(お試し版)
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2017年1月10日(火) 第253号2 今月のニュース学 会ノーベル・バイオケア・ジャパンの顔松本貴嗣ノーベル・バイオケア・ジャパン㈱代表取締役社長お客様との信頼関係の強化・再構築、さらなるシンカを目指す 近代歯科インプラントシステムのパイオニアであるノーベルバイオケア社。2017年1月1日付けで日本法人の新社長に松本貴嗣氏が就任する。歯科インプラント市場に新風を吹き込むことが期待される若き経営者はどのような戦略で挑むのか、その思いをうかがう。松本:前職は、グローバル企業のメディカル分野のマーケティングやセールスの責任者など、長年にわたりヘルスケア事業に携わってきました。数ある企業の中からノーベルバイオケア社を選択した理由は、大きく3つあります。 まず、長年にわたりヘルスケア事業にかかわってきましたが、1つの事業領域だけでなく歯科領域にトータルにかかわり、業界全体をより発展させたいと思いました。 つぎに、歯科市場の大きな可能性です。超高齢社会を迎え、口から食べる重要性が認識されつつあります。もちろん、生涯にわたり自分の歯で食べることが理想的ではありますが、欠損補綴の1つとしてインプラント治療の価値をもっと高めたいと思っています。そのためには、単にインプラント製品やソリューションを提供するだけにとどまらず、日本の歯科医療従事者の方々のすぐれた技術や正しい歯科医療の情報を付加価値として発信していくことが求められます。インプラント治療を通して、患者さんのQOL向上に寄与できる魅力的な領域と認識しています。 最後の理由として、ノーベルバイオケア社はすばらしいソリューションを有する企業であり、日本においても将来的にインプラント領域が成長するポテンシャルを秘めていると考えているからです。 そのようななかで、私が今後注力していきたい取り組みとしては、最優先としてノーベルバイオケア社が有するトータルソリューションを通して、お客様との信頼関係の強化・再構築、さらなるシンカ(進化・深化)を目指したいと考えています。また、極論ですが、私も含めてスタッフや仲間・友人に自分の会社や製品を紹介したいと思えるような組織にすることです。そまつもと・たかし1973年11月、神奈川県生まれ。1996年、慶應義塾大学商学部卒業後、グローバル企業のメディカル分野のマーケティング、コンサルティング企業など国内外で活躍。2017年1月1日付けでノーベル・バイオケア・ジャパン株式会社代表取締役社長に就任。して、これまでとは異なるイノベーティブな製品・開発、企業戦略、情報発信にギアを切り替えて、スタッフ全員がイキイキと働くことができる環境をつくっていきたいと思います。それが私の目指す企業の姿です。 ノーベルバイオケア社は、インプラント治療の裏付けとなる研究データを数多く有していますし、インプラント業界のリーディングカンパニーとして果たす責任があります。歯科医療従事者の方々だけでなく、インプラント治療を希望する患者さんにも正しい情報を提供させていただくことで、少しでも多くの皆さんにノーベルバイオケア社の製品やソリューションを選んでいただけるように、微力ながら尽力したいと考えています。 2016年11月22日(火)、東京歯科大学水道橋校舎(東京都)において、一般社団法人日本老年歯科医学会(櫻井 薫理事長)による「高齢期における口腔機能低下症」の概念と診断基準に関する学会見解の報道発表および報道説明会が開催された。本会は、近年注目されている「オーラルフレイル」や「口腔機能低下症」に関するエビデンス構築を目指し、議論の起始点となる「口腔機能低下症」に対する見解をまとめ、その概念と診断基準を公表するために開催されたもの。 開会後、櫻井 薫理事長(東京歯科大学教授)は本会の概要ならびに公表の経緯について述べるとともに、学会として医療関係者はもとより国民に「口腔機能低下症」を広く周知していく姿勢を示した。 引き続き、水口俊介学術委員長(東京医科歯科大学大学院教授)による「高齢期における口腔機能低下」に関する学会見解論文の解説がなされた。水口氏は、学会見解論文2016年度版を基に、口腔機能低下症の診断基準として「口腔不潔」「口腔乾燥」「咬合力低下」「舌・口唇運動機能低下」「低舌圧」「咀嚼機能低下」「嚥下機能低下」の7つの症状のうち3つの症状を満たした場合、「口腔機能低下症」と診断すると説明。それぞれの症状に対する検査方法や代替検査方法についても紹介した。 その後に行われた報道関係者らとの意見交換の中で水口氏は、「口腔機能低下に関する認識をもっていただき、口腔機能にかかわる研究者らがエビデンスをつくっていくためのスタートとして論文を公表した。産・学協働でプロジェクトに取り組み、国民運動とするための第一歩としたい」と述べ、さらなる周知に向けてアピールした。「口腔機能低下症」の概念と診断基準を公表(一社)日本老年歯科医学会発表の経緯について述べる櫻井 薫氏(写真左)。 極限の状態となっても、意外とオンナは楽天的だったりする。オトコは、先が見えない状況になると、オロオロして考え込んだりする。オンナは、なんとかなるだろうと、とにかく今やるべきことだけを見て動く。オトコは、判断するにあたっていろいろ思いを巡らす。オンナは、ビビッと感じるものがあれば、即、行動に移す。 具合が悪い時に、うなされながら「お父さん!」と呼ぶコドモは見たことがない。そのようなわが子をみた時、チチはなすすべなく「大丈夫だよ、きっと良くなるよ」などと浮いた声でいうが、たいてい伝わってはいない。ハハは全身全霊の感情でわが子を包み込み、時に言葉にならない何かで共鳴する。だからこそ、ハハは強い。 古くから、場を守るという役割を担ってきたのは、オンナだったのではないだろうか。今は時代が変わったが、田舎ではまだ、ある程度の役割分担が残っている。 東日本大震災は、三陸の海岸に大津波をもたらした。もともと小さな浜では、オトコは海に出て、オンナは陸おかを守るという、それぞれの役割とともに連携してきた。大地震直後に、避難所に顔が見えない人を「あそこの家は、昼は息子が海に出ていていないから迎えに行って連れてくるように」と若い衆に指示を出したのも、津波後に、にぎり飯を持たせて「食料と水を探してくるように」とオトコ衆を送り出したのも、そして、集まったものでいかに全員が食べ、暖をとって生き抜くかを工夫して避難所を守ったのも、オンナたちだった。 熊本地震後も、オンナたちは「おおごつだったね」としゃべりながらも、ただひたすらやるべきことをやり続け、場を守ってきた。保健医療や介護福祉という分野にいると、オンナが目立つだけなのかもしれない。しかし、いつなんどきもオンナたちは、来てしまった運命はさっさと受け入れ、今どこに立っているのかわからなくてもとにかく動き出すという力が強い気がする。 田舎の女子力、恐るべし。(中久木康一・東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科顎顔面外科学助教)イザという時、オンナは強い。リレー連載 ①繋ぐちから繋ぐちから

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