新聞クイント2017年10月(お試し版)
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2017年10月10日(火) 第262号3 今月のニュース学 会氏(山口県開業)が受賞した。また、本学会顧問の横田 誠氏(九州歯科大学名誉教授)による特別講演「咬合性外傷の真実」や、本学会顧問の筒井照子氏(福岡県開業)と田代孝久氏(田代歯科技工所)によるリレー講演「スプリント作製とその勘所」も好評を博した。 2日目は、会員によるデンティストリーセッションが行われた後、特別講演として小濱忠一氏(福島県開業)が「補綴治療を成功するためのアナログとデジタル化の共存―デジタル化の推奨と警告―」と題して登壇。従来のアナログ的手法と最新のデジタル機器を用いた手法の利点・欠点について解説したうえで、基本的なガイドラインの厳守の必要性を強調した。 最後に、リレー講演+シンポジウム「Dr. DT. DHの役割分担~包括歯科臨床実現のために~」が開催され、筒井照子氏、筒井祐介氏(福岡県開業)、増田長次郎氏(株式会社カロス)、広瀬了美氏(筒井歯科医院)がそれぞれ講演し、相互の連携や対応について紹介しながら解説した。 9月2日(土)、3日(日)の両日、電気ビルみらいホール(福岡県)において、第6回日本包括歯科臨床学会学術大会・総会(中島稔博大会長、国賀就一郎会長)が「全身と口腔の調和を求めて~Global Standardへの挑戦~」をテーマに開催され、450名が参集し盛会となった。 本学会では2日間にわたり、多数のプログラムが組まれるなか、1日目の若手支部選抜セッションでは、40歳以下の優秀発表者に贈られる「筒井昌秀賞」が今回から設けられ、岩城秀明最終日に行われたシンポジウムの様子。第6回学術大会に約450名が参集、盛会となる日本包括歯科臨床学会大会長を務めた河瀬聡一朗氏。 今月のニュース社 会グナル~ケアマネジャー達が抱える苦悩を読み解く~」が行われた。それぞれの立場から、介護を取り巻く現状や問題解決のための取り組みなどが紹介された。 第三部では、津止正敏氏(立命館大学社会学研究科教授)による事例紹介「拡がるケアメン・コミュニティ~男性介護ネットの活動~」と河瀬大会長(男の介護教室代表、石巻市雄勝歯科診療所所長)による事例紹介「男の介護教室の取り組み」が行われた。なかでも、河瀬氏は地域医療にかかわるなかで、歯科医師としてとくに食に対する課題や問題が多かったことから、男性が介護について勉強する機会や同じ境遇にある男性が集まる場としての「男の介護教室」をスタートさせたことや、現在の活動について紹介した。 第四部のワークショップでは、介護者と専門職による積極的な意見交換やディスカッションが行われた。 超高齢社会で介護が社会問題となるなか、本大会のように多職種で情報共有する場が全国に広がるとともに、継続的に開催されることを期待したい。男性介護について意見交換男の介護教室&男性介護者と支援者の全国ネットワーク第1回東北大会 9月2日(土)、ホテルグランドパレス塩釜(宮城県)において、男の介護教室&男性介護者と支援者の全国ネットワーク 第1回東北大会(男の介護教室&男性介護者と支援者の全国ネットワーク主催、河瀬聡一朗大会長)が「男性介護者に目を向けて!」をテーマに開催された。 第一部では、清川卓志氏(朝日新聞編集委員)による講演「男性介護を取り巻く社会状況について考える」と、高室成幸氏(ケアタウン総合研究所代表)による講演「男性介護者の危険シ 今月のニュース企 業医科歯科大学大学院教授)の挨拶で2日にわたるシンポジウムが開幕した。 メイン会場では、診査・診断、デジタルソリューション、インプラント周囲炎、超高齢社会におけるインプラント治療、さらに歯科技工士セッション、歯科衛生士セッションなど多岐にわたる講演が行われた。また、昨今の医科歯科連携の流れを組み、糖尿病専門内科医、耳鼻咽喉科医による教育的講演も行われるなど、多数のプログラムはいずれも終日満員となった。 なかでも、バージョンアップにより口腔内3Dスキャナーとの連携が可能となったノーベルクリニシャン、角度付アバットメントであるマルチユニット・アバットメントなどの新しいテクノロジーが用いられた症例のほか、抜歯即時埋入、硬・軟組織増生についての講演が行われ、聴衆の興味を引いた。特に、アバットメント着脱による軟組織の退縮を防ぐ「One Abutment - One Timeコンセプト」の開発者であるEric Rompen氏 (ベルギー・リエージュ大学)によるそのコンセプトに基づいた講演は注目を集めた。 8月26日(土)、27日(日)の両日、ベルサール東京日本橋(東京都)において、Nobel Biocare Symposium 2017-Tokyo(ノーベル・バイオケア・ジャパン株式会社主催)が「包括的医療に挑むステージへ」をテーマに、1,503名の参加者を集めて開催された。 松本貴嗣氏(ノーベル・バイオケア・ジャパン株式会社代表取締役社長)、Melker Nilsson 氏(Nobel Biocare Executive Vice President)、そしてサイエンティフィック・コミッティーチェアマンである春日井昇平氏(東京春日井昇平氏(中央)とノーベル・バイオケア社のStefan Holst氏(左)、松本貴嗣社長。Nobel Biocare Symposium2017-Tokyo盛会となるノーベル・バイオケア・ジャパン㈱優勝した吉野 舞さん(左)と堀 憲郎会長。 今月のニュース社 会広島大学歯学部5年生の吉野 舞さんが優勝平成29年度SCRP日本代表選抜大会開催 8月18日(金)、歯科医師会館において、平成29年度(第23回)日本歯科医師会/デンツプライシロナ スチューデント・クリニシャン・リサーチ・プログラム日本代表選抜大会(SCRP大会)が開催された。本大会は、歯科学生みずから研究テーマを設定し、その内容や調査結果を競うもの。歯科界の発展を担う研究者・教育者・開業医の国際的な輩出を目的とし、各国歯科医師会主催および、デンツプライシロナ社後援のもと世界39か国で開催されている。 本年度は全国の歯科大学・歯学部から28校が参加した。以下、審査結果を示す。優勝(基礎部門第1位):「単一細胞トランスクリプトミクスによる骨芽細胞の多様性の解析」(吉野 舞さん、広島大学歯学部5年生)準優勝(臨床部門第1位):「歯槽骨吸収予測指標としての歯肉溝滲出液中ストレスシグナリングの解析と臨床応用への検討」(福留彩音さん、日本大学歯学部5年生)臨床部門第2位:「フッ化物微量拡散法による乳児一日フッ化物摂取量評価」(柳田陵介さん、東京歯科大学5年生)基礎部門第2位:「オートファジー誘導にはカリウム流入を抑制するホスファターゼが必須である」(松本 夏さん、大阪大学歯学部4年生) 優勝し日本代表となった吉野さんは、きたる2018年3月21日より米国フロリダ州フォートローダーデールで開催される国際歯科研究学会米国部会(AADR)学術大会に参加し、日本を含む世界各国の代表とともに発表を行う予定である。

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