デンタルアドクロニクル 2011
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巻頭特集 110人材教育への投資が重要! 人と人のかかわりの中で、医療サービスを提供する歯科医院においては「従業員1人ひとりの知識・技術の向上と人間としての成長」が、他業界とは比べものにならないくらい重要です。 どんなに高品質な治療サービスを提供しても、1人のスタッフの粗雑な処置やサービスによって、今までの努力がすべて水の泡という現実を、よく目の当たりにします。歯科医院は、初診からメインテナンスへ移行するプロセスの中で、一つでも来院者が求めるサービスレベルに達していない部分があれば、総合的な評価は高まらない業種なのです。 多くの歯科医院が個人経営の域を超えることができないのは、院長(経営者)個人の能力に依存しすぎて、採用・教育・評価等の仕組みづくりへの投資を怠っているからにほかなりません。 院長の多くは、採用面接や採用後のスタッフとの個別面談に時間をかけず、場当たり的な対応を繰り返し、教育に時間とお金をかけないまま、歯科医院経営を続けた結果、“来院者満足の低下による来院者の減少”や“スタッフの早期退職”という悪循環に陥っているケースが散見されます。 これからの歯科医院経営においては「経営戦略」と「人材戦略」が同義語であると考え、人材投資意識を高く持ちながら、マネジメントに取り組むことが不可欠になっています。院長に求められる能力 自院のあるべき5年後、10年後の姿をイメージし、現状の経営資源や成熟度に適した人員体制を整備することが、今日、必要な状況になってきています。 研修参加においても、医院のこれからの方向性によって、受講すべき研修内容を検討する必要があります。 過去の研修参加を振り返ってみてください。自分の好きな分野や逆に苦手な分野の研修に偏ってしまい、自院のコンセプトに沿っていないケースが多いのではないでしょうか? 自分自身を知り、そして自院を知り、医院の方向性を考えて、臨床セミナーや経営セミナー等にバランスよく参加する必要があります。 歯科医院で求められる能力には、技術的研修成果が患者創造につながる㈱デンタル・マーケティング代表取締役社長寳谷 光教能力(テクニカルスキル)、仕事への姿勢・人間性的能力(ヒューマンスキル)、院内マネジメント能力(コンセプチュアルスキル)と、大きく3つの能力があります。 歯科スタッフに求められるスキルを3つのスキルに分けている理由は、技術面だけでは長期的に継続して来院者と良い関係性を維持することは難しく、仕事に対する姿勢や人間性(ヒューマンスキル)、院内マネジメントの能力(コンセプチュアルスキル)が不足していれば、本当の意味での来院者との信頼関係を構築することはできないからです。 研修受講においては、これらの3つの能力において、自院に不足している能力は何か、自分自身に付加する必要がある能力は何なのかを、長期的ビジョンから鑑みて参加するセミナーや学ぶ内容を決定されることをおすすめします。自分自身の目標設定によって研修受講計画を明確化する コンサルティングの際に「人材への投資は重要だと考えていますか?」「スタッフ教育は重要視していますか?」という質問寳谷 光教 ほうや みつのり中小企業診断士。大学卒業後、メーカー勤務を経て、2001年から船井総合研究所にて経営コンサルティング活動に従事し、2005年に独立、㈱デンタル・マーケティングを設立。指導歯科医院は200軒を超え、歯科医院専門のトップコンサルタントとして定評がある。歯科医院の増患対策、組織の活性化、自費率向上、評価制度の導入などを得意としている。著書は『3ヵ月で医院が変わる勝ち組歯科医院経営55のポイント』『自費率を高めるカウンセリングシステム』など多数。

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