デンタルアドクロニクル 2011
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20歯科界のトップが語るが存在せず、咀嚼・嚥下の障害が死を意味した縄文人の寿命は、わずか30年でした。現人類が80年まで長寿になれた理由として、歯科医療による咀嚼・嚥下・栄養摂取能力の向上が貢献したことにまちがいありません。 会社のため、業界のためではなく、歯科医療に携わっているすべての人の仕事が、全世界全人類の命につながっていると、自信を持って活動することが、もっとも大事なのではないでしょうか。山 﨑 歯科医には特殊性があるわけで、それを自分自身が認識して、そこに対する誇りがないとダメです。僕は、医者になるか、歯医者になるかですごく迷ったけれど、今は歯科医になって大正解だと思っています。歯科医の仕事ほどクリエイティブなものはないからです。歯科のメインは補綴で、ここが一番クリエイティブな面が強く、実に楽しい。どんな人だって歯科に1回はかかるわけだから、歯科に携わっている誇りを持つべきです。僕は、入れ歯を入れることも、臓器移植の第一歩だと思っています。佐々木 先生のおっしゃる医科や歯科というのは、「患者を治す」という結果が目に見える実学で、歯科の実学はより完成に近づきつつあります。それをさらに深めるには、歯科医だけではなくて、メーカーや商社のバックアップも必要です。この連携なしでは、優れた技術にもとづくよいマテリアルやツールが開発されませんから……。山 﨑 インプラント治療は代表的で、多種多様な器材・器具をもっとも多く使っています。一般の診療でも同様に、机の上にいろいろな機材・器具・材料を用意して、それを使いこなすわけですから、歯科医も、メーカーも、商社も、早急にサポートシステムを構築する必要性があるし、お互いにそれができる可能性も高いね。その点では、商社でも人財が求められるでしょう。採用や教育はどうしているの?面接・採用は1年目の社員が責任者茂久田 一般的には、いい人財の採用に問題を抱え、それを育てるところにもっとジレンマを抱えていて、採用→教育がうまく回らない会社が多いようです。当社の場合、入社することは単なる第一ステップにすぎず、入社1年目は選ばれる側から選ぶ側に回る、2年目には教育する側に回る、将来的には課長なのに部長の仕事、部長なのに取締役の仕事ができるという、その人の50歳までの成功のビジョンを描いた上で採用を決定しています。 実は、私は面接にまったく関与しません。というのは、新人にも私の考えをしっかり身につけてもらい、社長と同じ目線で物事を判断できるようにしているからです。したがって、私が選んでも1年目の社員が選んでも、結果は同じなのです。昨年度は5,200名の応募が集まり、第6次面接まで行い、最終的には2名を採用しました。山 﨑 5,200名から2名!! そして、入社してすぐに、自分で選んだからには自分で教えたい若手先輩が、教わりたい新人に最適なプレッシャーをかけるから早く育つのか……。グレートとしかいいようがない試みだね。佐々木 著名なドラッカーですら「人的確保をするための正しい方法を自分は持っていない。これは大変重要でかつもっとも難しい問題であるにもかかわらず、完全な採用法とは何か未だわかっていない」といっているくらいですから、茂久田さんが面接・評価・採用にチャレンジされたことは特筆に値すると敬意を表し、今後の成果に大きく期待しています。 また茂久田さんには、販売専門の営業マンはおらず、開発もできる学術営業マンだけを育成しているということですが、ユーザーからの要請を製品づくりに反映させたり、それを海外に行って見つけてくるとなると、相当な眼力と勉強が要求されそうですね。茂久田 採用した人に一定の知識欲があり、素直な性格であれば、教える側も「こいつは素直に聞いてすぐ実行するから、もっと教えてやろう」といった気になります。要は、素直で伸びしろがあるかどうかを見極めていけば、常にうまく育てることができます。 先生方を訪問するときにも、学術営業員が自前の知識や商品の利点のみを押しつけてはよくありません。その先生が持っておられる意見・要望をたくさん聞き出し、それをいかに自分の力で、正確に先生の気持ちを代弁して海外仕入先に伝えるかが大事なんですね。山 﨑 先生たちとのコミュニケーションを大切にし、アンテナを張っていれば、耳の端や視界のすみっこに「あれっ?」とひっかかることを見聞きしたときに、「これは、あの先生の悩み解決につながるな」と、即座に反応できるということかな?茂久田 そうです。営業マンは販売だけではなくて、海外仕入先も1人3~4社ずつ担当し、カタログや広告を自分で作製しており、役に立つ製品をつくろうという前提で先生のところに行くので、その聴く力には長けています。ですから、ピーンときて、すぐに商品に反映させることも多いと思います。業界全員を味方と考えたら敵は1人もいなくなった佐々木 この鼎談後のページに、茂久田さんの快心作であるパンフレットやイメージ広告が登場しますが、こうし佐々木 一高クインテッセンス出版株式会社 代表取締役社長

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