デンタルアドクロニクル 2011
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75その結果が歯間乳頭の保存にもつながるのです。さらにアバットメント周囲の歯肉の厚みを増すこともできるので、唇側歯肉の退縮を防ぐ点でも効果的だと思います(図1)。 このような症例を私自身いくつか経験していますが、術後1.5年を経ても両インプラントのプラットフォームを結んだラインよりも骨頂が保存できており、非常に良好な結果を得ています(図2)。長期的な審美性の維持にも期待がもてます。 さらに部位を問わず、頬舌的・近遠心的に骨頂部の骨幅が少ない症例にも効果的だと思います。P.S.の概念を確立するための絶対要件として、インプラント周囲には埋入した時点で頬舌的・近遠心的に骨が1mm以上必要ですが、1mm 確保できるか否かのシビアな症例においても、ノーベルアクティブは他メーカーのストレートまたはテーパー形状に比べて、先述のバックテーパーが骨の温存に非常に有利に働くと考えています。優れた初期固定と操作性Q インプラントの経験の浅い歯科医師が使用する場合に、ノーベルアクティブが有利だと思われる点は?小濱:外科処置の成功を大きく左右するのは、なんといっても初期固定の良否だと思います。とくに臨床では、一見簡単そうにみえる症例でも、ドリリングを開始したらその骨質が意外に疎で(軟らかく)初期固定が得られなかったり、意図する方向に埋入できないなどのトラブルがあります。従来型よりも大きくて広いスレッドと鋭いカッティングエッジをもつノーベルアクティブは、そのような症例にも操作性に優れ、初期固定が得やすいと思います。 もちろんこの初期固定の良好さは、Immediate function、上顎洞底挙上術、GBR法などの骨造成を行う症例、あるいは抜歯後即時埋入(図3)などで骨量が少ない症例など、アドバンスな術式においてもおおいに発揮されることになります。薄くて硬い骨には要注意!Q ノーベルアクティブを使用する際の注意点は?小濱:このようにお話すると万能のように思われますが決してそうではありません。先ほど骨質の話をしましたが、ノーベルアクティブの特徴的な形態は、どうしても埋入トルク値が高くなります。そのため、術前にCT上で皮質骨と海綿骨の幅や状態を検査し、骨質に応じた埋入プロトコルを理解しておく必要性があるでしょう。 たとえば、ドリリング後に硬くて非薄な骨だけが残存している場合に無理に埋入すると、骨の破折が懸念されます。そのような場合には、径の太いインプラントを避けて、GBR法の準備が必要かもしれません。また、骨造成後の埋入時には、軟らかい造成骨の方に傾斜してしまう傾向がありますので注意が必要です。これは、サージカルドライバーの使用で解決できるでしょう。 もうひとつP.S.機構をもつインプラント全般にいえることですが、アバットメントの立ち上がり径が細くなるため、大臼歯部の上部構造形態に無理が出る可能性があります。とくに歯肉が薄く解剖学的制限がある下顎では、骨量と埋入深度を十分に診査して行う必要があります。症例によっては、プラットフォームが4.3mm、あるいは5.0mmなどの従来型インプラントを使用した方が賢明な場合もあるでしょう。外科と補綴、双方のプロトコルの普及が急務Q 今後、メーカーに対し、同システムに期待することは?小濱:ノーベルアクティブは審美領域さらには即時の機能回復だけではなく、骨量が少ない、骨質が疎な場合などにも適したシステム、言い換えれば今後のインプラント治療において不可欠のアイテムだといえます。しかし、特徴的な形態ゆえに、適切な検査・診断の下で活用することで、より効果的なことを忘れてはならないと思います。それゆえに、メーカーにはノーベルアクティブを用いた治療における正しい外科と補綴、双方のプロトコルをいち早く普及させてほしいですね。ノーベルアクティブの臨床例 ②難易度の高い前歯部審美症例にも効果的図3a~e 難易度の高い外科手技をともなう前歯部の審美難症例に対しても、ノーベルアクティブの特徴的形態はさまざまな面で有利に働く。a:術前。b:骨造成時。c:最終印象前。d、e:最終補綴物装着時と同エックス線。edcab小濱歯科医院 小濱忠一先生

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