デンタルアドクロニクル 2011
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巻頭特集 16患者さんが受け入れてくれる臨床医でありたい 近年、基礎系・臨床系の卒後研修、ハイレベルな臨床セミナー、最新歯科医療セミナーから、歯科衛生士講習会、医院経営セミナーまで、研修会・セミナーが全国各地で行われ、まさに百花繚乱といった状況です。歯科医師にとって、学ぶ環境は、私が大学を卒業した頃と比べると、隔世の感がいたします。 私は、卒業したら大学院に進む予定でいましたが、当時、開業していた父の体調が思わしくなかったため、一時的なサポートとして医院を手伝わざるを得なくなりました。その後、父は元気になったのですが、私のゴールとしては父の後を継いで開業することが前提でしたので、父の医院の分院の問題も生じたところで、結局は大学を辞めて早く開業してしまったのです。 ちょうど20年前で、いきなり院長になってしまったわけですが、現実に知識も技術も追いつかない段階で、保母須弥也先生が主宰されていたIDAの全日制に1年間、勤務兼研修で学び、夜6時くらいに帰ってきて3時間くらい、自院の夜間診療という形をとり、日中は友人や先輩に頼んで診療してもらっていました。 けっこうきつい1年でしたが、研修で得た技術を、臨床にすぐフィードバックできたこと、その仕組みをつくっていったことで、今振り返っても、充実した1年であったと思っています。 私は父の影響もあり、患者さんが評価してくれる、受け入れてくれる臨床医でありたいという気持ちを強く持っていますから、今でも積極的に研修に参加し、新しい知識・技術を修得し続ける努力をしています。当法人の先生方にも、患者さんに受け入れてもらえるような技術を修得し、患者さんにそれを情報としてきちんと説明し、提供できなければ研修を受けた意味がないといっていますし、継続的に研修を受けるように指導しています。年間ベースで研修を計画する 大事なことは、どんな内容の研修会・セミナーを選ぶかが問題です。ただ闇雲に参加させたり、参加したりするのではなく、「何を学ぶか」しっかりした目的を持って参加しなければ、臨床にフィードバックすることもできないでしょう。院長である私の役割は、そのための手助けをすることだと考えています。 そのため、当法人では、年間の各自の目標と医院としての目標を決めて、先生方やスタッフには「このテーマは、今後勉強したほうがいい」「○○先生の講習会を受けるようにしてほしい」などと、外部セミナーの受講を提案したりして、研修を年間ベースで計画しています。それと並行的に院内研修を月1回~2回行い、分院長やチーフが講師となって後輩に教えるようにしています。 受講費用については、研修医やスタッフには、ほぼ全額医院が援助するようにし、勤務医の先生方には、30~50%くらいの援助を考えています。たとえ先生自身が選んで受講した場合であっても、医院にどれだけフィードバックできたか、院内にその情報を提供し、周りにきちんと教育してくれていれば、医院負担を考えるようにしています。 当院ではドクターの採用の条件として、面談の際に、過去にどんなコースをどれだけ受講したかをリサーチします。というのは、私は一定レベルで医院における臨床の渡部 憲裕 わたなべ のりひろ1986年鶴見大学歯学部卒業。1986年昭和大学歯学部第1口腔外科入局。1987年渡部歯科医院開設。1992年医療法人社団裕正会設立。その後、イースト21デンタルオフィス、新宿パークタワー歯科、東京オペラシティ歯科、トピレック歯科、品川シーサイド歯科、汐留シティセンター歯科、品川シーサイドイーストタワー歯科を開設。現在、医療法人社団裕正会理事長。日本口腔外科学会・日本顎咬合学会、日本歯科審美研究会、日本口腔インプラント学会各会員。何を学び、学ばせるか?医療法人社団裕正会理事長新宿パークタワー歯科院長渡部 憲裕

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