デンタルアドクロニクル 2012
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103■ はじめに:予防歯科では食べていけない? 筆者が開業している長崎県の西の端に位置する平戸市生月(いきつき)島は、人口約6,500人の小さな島である。島とはいえ連絡橋がかかっているので、自動車での往来はできるが、県庁所在地である長崎市まで自動車で約2時間半かかる僻地である。「そんな島では予防だと食べていけないだろう?」と開業当初よくいわれた。しかし、開業7年目を迎えていえることは、「予防だけでは食べていけない。しかし、予防をベースにした歯科医療は、自費率がアップするなど、驚くことがつぎつぎと起こる!」ということなのだ。 今思えば、歯科医師の親をもたない筆者が歯学部に入学した際、不思議に感じたことがある。それは親が歯科医師の同級生たちは、治療されている歯がほとんどないということだった。これは大学4年時に予防歯科の授業で、う蝕はコントロールできるということを学んだ際に納得がいった。そしてその時に、自分が開業するならまずは予防を優先し、そして治療をする場合は侵襲の少ない最良の治療を提案していくと決めた。今はそれを日々実践している。 治療計画を立てる時は、自分ならどのような治療を受けたいかを考える。そして、それをそのまま患者さんに伝える。もちろん保険診療範囲でといわれれば、その範囲でできる最善の治療を考える。子どもの場合は、わが子に治療をするならどうするのかと考え、安易にインレー形成しメタルを入れるようなことはしない。健全歯質の可及的な保存を考えて松風のGIOMER製品を用いて充填するというように、Minimal Interventionを念頭においた歯科臨床を行っている。■ GIOMER製品は、なぜ臨床に有用なのか?[臨床の軸となる3種のボンディング材(図1)] 筆者の臨床の軸となるのは、この3種のボンディング材であるが、とくに2ステップのフルオロボンドⅡを愛用している。信頼できる接着性に加え、フッGIOMER製品を用いたMiCDと経営の両立̶̶小さな島で開業し予防ベースの診療を行う立場から高﨑智也長崎県開業 NATURAL TEETH連絡先:〒859-5702 長崎県平戸市生月町壱部浦1681999年 九州大学歯学部卒業2003年 九州大学大学院修了、歯学博士2005年 長崎県開業「NATURAL TEETH」現在に至る各論4各論4

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