デンタルアドクロニクル 2012
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巻頭特集1● 歯科における学会の現状と今後の展望~ 認定医・専門医が日本の歯科界を牽引する~ Quint DENTAL AD Chronicle 2012巻頭特集1● 歯科における学会の現状と今後の展望~ 認定医・専門医が日本の歯科界を牽引する~ Quint DENTAL AD Chronicle 2012れた。日本歯科医師会も平成24年中、遅くても平成25年の春までには公益社団法人化を目指すといわれている。そこで、日本歯科医学会の去就が注目されているのである。 現在、日本歯科医学会の事業の骨格は以下のとおりとなっており、これらにもとづいて必要な調査研究活動(学術研究事業、学術講演会の実施、歯科学術用語の検討等)を行っている。・ 歯科医学に関する科学および技術の進歩発達に関する事柄・学術大会開催に関する事柄・専門分科会および認定分科会への助成・ 専門分科会および認定分科会間の緊密な連携・ 日本歯科医師会会長の諮問に対する答申または建議・ その他、学会の目的を達成するに必要な事柄 現会員数95,627名の内訳は、日本歯科医師会会員64,940名、専門・認定分科会会員30,687名となっている(平成23年2月28日現在)。 日本歯科医学会の今後の体制は、日本歯科医師会、日本歯科医学会の話し合いで決められる(正式決定は日本歯科医学会評議員会および日本歯科医師会代議員会)が、現事業の見直しは必須である。とりわけ専門分科会および認定分科会への助成金の支援は難しい。日本歯科医学会の存続を考えれば、逆に、各分科会から会員数に応じた会費を日本歯科医学会に納入する形も視野に入れる必要がある。 日本歯科医師会は、大きな学術団体として日本歯科医学会にメンバー参加することが望まれる。この形での運営ができれば、その事業目的がより具体的になり、果たす役割も会員によく理解されることになろう。加えて、独立性を獲得した組織として、また行政に対する正式な窓口としての日本歯科医学会の存在が、ますます重要になってくる。 一方、各分科会は、日本歯科医学会に会費を納入するとなれば、その役割と成果に、一段と関心を持つことになろう。また、助成金の支給がなくなり、逆に会費が必要となれば、各分科会は会員の増加をはかる必要も生じてくる。ここが、分科会のあり方を大きく変える起点となると考えられるのである。3 分科会の研修制度 会員の裾野を広げ、その専門性を生かした内容を医療現場に展開することで、日本歯科医学会が掲げる目的、すなわち、「本学会は、歯科医学を振興することによって歯科医療を向上し、国民および人類の福祉に貢献することをもって目的とする」に強く合致させることができる。この目的は、メンバーであるすべての組織に共通したものとなる。 新規会員獲得のためのひとつのアイデアとして、各分科会でコンセンサスが得られた内容の研修を企画し、その修了者には専門医・認定医に次ぐ、学会が認めた称号を与える制度を構築する手段もある。すでに、この制度やチーム医療のコ・スタッフへの認証制度を導入している分科会もある。 また、会員獲得のためではないが、日本歯科医学会を通して、日本歯科医師会に働きかけ、地域の歯科医師会と共同でセミナーを開催し、その修了書をもって、歯科外来診療環境体制加算の施設基準をクリアできるシステムを構築している分科会もある。このような形で活動の内容や貢献度を伝えることによって、会員獲得の地盤が形成されるであろう。4 日本歯科医学会入会のすすめ これまでは、日本歯科医学会に所属する分科会を対象にして述べてきたが、学会はこの他にも数多く存在していて、今やその質が問われている。 私は、この質の評価を得るには、現在、日本歯科医学会が実施している分科会審査の基準をクリアし、日本歯科医学会に入ることが望ましいと考えている。そのためには、自主的な努力はもちろんのこと、既存の分科会との合併や、複数学会の合併などによって組織の強化をはかり、日本歯科医学会へ入会する方法もある。 今後は、日本歯科医学会を構成する組織として、各分科会間の相互評価による継続的な質のチェック体制を構築する必要性も出てくる。評価による分科会メンバーの入れ替え制度も導入されるかもしれない。 このような切磋琢磨による質の向上が、歯科医学の振興となり、日本歯科医学会が掲げる目的、「国民および人類の福祉に貢献する」ことにつながる。おわりに 現在および近未来の歯科界を考えれば、歯科医師たるもの、何らかの分科会(日本歯科医師会を含めて)に所属し、生涯にわたる研修環境に身をおくべきである。営々と同じ医療を続けていくだけでは、とうてい社会に受け入れられない時代がきているからだ。 一方、受け入れ側は、そこに入会すればどのようなメリットがあるのかなど、入会の効果部分を示さなければならない。これからは、国内の学会だけでなく国外の学会も選択肢になってくるので、分科会も安穏としていられない。大きな転換期にきているのだ。 とにもかくにも、日本の歯科界を力強く発展させるためには、日本歯科医師会を含めた分科会の力が大きくものをいってくる。日本歯科医学会の存在は重い。機会があれば、各分科会の代表にこれらの話をうかがい、ともに今後の発展について語り合いたいと考えている。 なお、それらの内容については『新聞QUINT』に連載していく予定である。9

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