デンタルアドクロニクル 2012
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巻頭特集1● 歯科における学会の現状と今後の展望~ 認定医・専門医が日本の歯科界を牽引する~ Quint DENTAL AD Chronicle 2012巻頭特集1● 歯科における学会の現状と今後の展望~ 認定医・専門医が日本の歯科界を牽引する~ Quint DENTAL AD Chronicle 2012広範な分野を包含する唯一の学会 特定非営利活動法人日本顎咬合学会(英語名:The Academy of Clinical Dentistry、以下、本学会)は、日本歯科医学会における認定分科会に所属していまして、歯科医学・医療に携わる臨床歯科医師により構成される団体で、2011年12月現在、会員数7,036名を数える大きな学会です。 本学会は「歯科医療の基盤は咬合」との考えのもと、そこから派生する全歯科臨床分野、すなわち予防歯科、小児歯科、保存治療、歯内療法、歯周治療、歯科矯正、補綴修復治療、顎口腔機能、口腔外科、インプラント、さらに、これらの歯科臨床各分野の“治療の質”を高める歯科医院経営、歯科開業学など、広範な分野を包含する唯一の学会です。 また、学術のみならず、人間力をも向上させることを活動目的の1つと考えています。そして一般国民に開かれた臨床歯科医学・医療を考える学会として、若い世代ではう蝕、中高年世代での歯周病、高齢者では口腔ケアや摂食・嚥下リハビリテーションに至るまで、一般国民の豊かな健康生活を守る主治医であり、助言者でありたいと願っています。認定医であるという“自負”をもつ 本学会が認定する「咬み合わせ認定医」制度は1993年4月に発足しました。顎咬合学ならびに関連する領域の臨床に深い知識と経験を有し、日常の臨床でそれを実践している会員歯科医師に「認定医」の資格を与えています。具体的な要件としては、①会員歴2年以上、②学術集会への出席を2回以上、③顎咬合学に関連する学術発表です。また、本学会主催の学術大会、教育研修会などへの参加で研鑽を積み、さらなる資質の向上に努めています(詳しくは学会ホームページ http://www.ago.ac/参照)。 本年は、さらに認定歯科衛生士、認定歯科技工士の制度をスタートさせ、2013年にはこれらの認定制度を正式に発足させたいと考えています。歯科医療はチーム医療ですから、歯科医師だけではなく、パラデンタル、コデンタルたちの活動を活性化し、充実したものにしていきたいと思っています。 当然のことながら、認定医を取得するためには勉強しなければなりません。さらに、認定医取得後も生涯研修というかたちで学会発表や学会誌への投稿が必要となってきます。大事なことは、「自分は学会の認定医である」という“自負”をもつことです。学会認定医という資格を取得しても、それに見合った臨床力がなければ歯科医療として意味がありません。つまり、認定医・指導医を取得することで、今まで以上により向上心をもって臨床にあたっていただくことが大切だと思っています。実際、患者さんが治療を受けて満足しなければ、認定医という資格も意味のない“冠”になってしまいます。ですから、継続して勉強していただくことが大切です。歯科医師である以上、一生涯学びつづけることが重要 歯科医師国家試験に合格し、1年の臨床研修を経た後にすぐに臨床が行えるかというと、実際はなかなか対応ができないことが多いと思います。つまり、卒業後に継続した学習やトレーニングは必須となります。人によって、いろいろな学び方があると思います。スタディグループに所属する、研修会や講習会を受講する、学会に参加するなど。本学会は開業医が多く、開業医・勤務医の先生が学ぶ場として参加いただいているのが特徴です。 また、学術だけでなく、本学会では対人能力を高めていただくために、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士への自己啓発も行っています。歯科医療は最終的には人対人ですから、人間力を高めないと良い治療、豊かな治療はできません。患者さんありき、患者さんのためにあるというのが第一主義だと思います。その本意を忘れてはなりませんし、すべての基本といえるでしょう。 卒業して、研修が終わってからが本当のスタートです。自分が臨床している現場で基本をもっと学んで、とにかく一生懸命臨床することが若手歯科医師の先生方にとっては大事だと思います。その背中を押すのが本学会であり、認定医制度だと思います。認定医という“自負”をもとう!南 清和 みなみ・きよかず大阪府開業日本顎咬合学会理事長1986年、城西歯科大学(現・明海大学)卒業。兵庫県神戸市・カミムラ歯科医院に勤務、上村恭弘先生に師事。1990年、大阪府大阪市淀川区にて開業。その後、本多正明先生(大阪府開業)、Dr.Henry H.Takei(UCLA教授)、Dr.Thomas Buster(サンフランシスコ)に師事。現在、日本顎咬合学会指導医のほか、朝日大学インプラント科非常勤講師、朝日大学臨床歯科研究所非常勤講師、明海大学・朝日大学CE「オーラルリハビリテーション」「臨床審美歯科」コース主任講師、日本臨床歯周病学会指導医など多数。14

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