デンタルアドクロニクル 2012
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巻頭特集1● 歯科における学会の現状と今後の展望~ 認定医・専門医が日本の歯科界を牽引する~ Quint DENTAL AD Chronicle 2012巻頭特集1● 歯科における学会の現状と今後の展望~ 認定医・専門医が日本の歯科界を牽引する~ Quint DENTAL AD Chronicle 2012■ 日本の歯科界における認定等の制度の重要性 日本では、一度、歯科衛生士免許を取得すると、更新のための研修会の受講や試験がなく、自己研鑽は各自の意志に任され、その資格は生涯、有効となっています。しかし、社会の変化に対応した良質な歯科医療サービスを提供するためには、歯科衛生士免許取得後も、職種の専門性を高めていくことが重要であり、生涯にわたって、キャリアアップをはかる意欲を持ち続けることが必要不可欠です。 認定歯科衛生士とは、歯科衛生士のキャリアアップを目指し、歯科衛生士業務の特定の専門分野における知識と技術の向上を通じて、国民の健康増進に寄与することを目的とした資格で、より高度な知識と技術を要求されています。資格を活かして、指導的な立場で、高い専門性を持った歯科衛生士を増やすことにより、歯科衛生士全体のボトムアップがはかられ、社会的認知度が高まれば、活躍の場がますます広がり、国民の歯・口の健康増進に寄与し、ひいては社会貢献につながっていくのではないでしょうか。 また歯科衛生士は、多職種との連携の中で働く環境も多く、歯科衛生士の専門性に特化した部分を強化しておくことはもちろんのこと、時代の変化に応じた知識や技術を継続して学ぶ必要があります。そのため認定制度には歯科衛生士免許とは異なり、更新制度があり、認定資格を取得して終わりではなく、所属学会等に積極的に参加し、常に最新の必要知識を学び、認識を新たにして、業務に取り組むような形ができあがっているのです。 しかし昨今、「認定歯科衛生士」流行りの感があり、取得するのにハードルが高いものから、組織の会員集めというような別の目的をもったものなどがあるので注意が必要です。これは、資格を取得しようとする歯科衛生士が試されているのかもしれません。取得前には、制度を施行している組織(認定機関)が社会的に信頼性の高いものか調査する必要があり、今一度、その認定資格を何の目的で取得しようとしているのか、その資格を自分でどのように活かしていくのかを考え、認定資格を取捨選択していくことも認定制度の価値を高めていくために不可欠だと思います。■ 認定資格を取得することの真の価値 どの認定資格を取るべきなのか、数多く持っていたほうがよいのか、似たような分野の認定資格の場合どちらがより価値があるのかなど悩むことでしょう。学会や団体、個人、あらゆるところで認定制度が施行され、歯科衛生士業務が専門性に向かう傾向を示しています。 日本歯周病学会の認定歯科衛生士を対象とした意識調査では、認定志望動機は、「歯科衛生士としてのレベルアップを考えた」という回答が8割を超えてもっとも多く、「自分の力を試したかった」「他の歯科衛生士との差別化」と続いています。認定取得後の変化は、「患者さんをみる目」「自信がついた」「いろいろな卒後研修会に参加しようと意識が変わった」と自信と意識変革が起きたという結果が出ています。 私は、日本歯周病学会と日本歯科衛生士会の認定歯科衛生士の資格を取得しました。前者の取得方法は、5症例をまとめた書類審査と1症例のケースプレゼンテーションでした。取得直後は、自分の臨床を新たな観点から評価できるなど、仕事に対するモチベーションも上がりましたが、時が経つにつれ、一時の感動は薄れてきました。しかし、資格取得という目指すものが世代を超えて交流が広がり、取得後も情報交換から学びを得られたりと、仲間が増えた喜びばかりではなく、遅れをとらぬようにと継続して学ぶ励みにもなっています。後者の取得方法は、5日間のべ30時間の講義を受講し、レポート作成でした。多くの時間を割いて取得したものの、残念ながら具体的にその資格を活かして活動できていないのが現状です。つまり、認定資格を価値あるものとするためには、認定機関から受身で恩恵をもらうのではなく、資格を20認定資格の取得は歯科衛生士の価値につながるのか茂木美保 もぎ・みほ住友商事株式会社 歯科診療所 歯科衛生士東京医科歯科大学歯学部口腔保健学科 非常勤講師【資格】 日本歯科衛生士会認定歯科衛生士 認定分野:生活習慣予防(特定保健指導)NPO法人日本歯周病学会 認定歯科衛生士【所属】 社団法人 日本歯科衛生士会 専務理事特定非営利活動法人 日本歯周病学会 歯科衛生士関連委員会 委員東京医科歯科大学歯科同窓会 C.D.E.講演運営委員会 委員日本口腔衛生学会、日本ヘルスケア歯科研究会 会員

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