デンタルアドクロニクル 2012
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巻頭特集1● 歯科における学会の現状と今後の展望~ 認定医・専門医が日本の歯科界を牽引する~ Quint DENTAL AD Chronicle 2012巻頭特集1● 歯科における学会の現状と今後の展望~ 認定医・専門医が日本の歯科界を牽引する~ Quint DENTAL AD Chronicle 2012取得した歯科衛生士自身が組織を活用して、その価値を高めていく必要があります。 仕事は、受身では楽しくありません。自らがやりがいを感じ、かつ主体性を発揮できるような職場環境を作るためには、自ら試行錯誤し、行動に移すことが大事です。「認定資格の取得」を目的にするのではなく、あくまでもプロセスと捉え、取得するまでの行動で気づきを持ち、モチベーションを高め、そして、取得した認定をどう活かしていくかを自分で考え、アクションを起こすこと、それがひいては、自分の仕事をプロフェッショナル化させることになります。そんな意識改革する機会を獲得するところに「認定を取得する」ことの真の価値があるのではないかと思います。■ 一生涯学び続けることの重要性 修業年限の延長や教育内容の見直しなどに伴う、歯科衛生士学校養成所指定規則の改正により、2010年4月1日から、すべての養成機関において3年制以上の新たな歯科衛生士教育が実施されています。また、専門性を向上させるためには、経験に頼るのではなく、科学的な根拠に基づいて、取り組むことが重要であり、常に日進月歩の歯科医学や医療技術の進歩を意識しながら、最新の知識、技術や情報をタイムリーに習得することは、医療従事者としての責務でもあり、生涯研修への継続的なかかわりが、働く意欲にもつながります。 また、診療所、病院、介護老人施設等の就業場所にかかわらず、歯科衛生士という免許は、歯科疾患、とりわけ歯周病の予防と治療を行う知識や技術を持っていることが前提です。医学は進歩し、社会は大きく変化をし続けていますし、情報はすぐに陳腐化しますので、時代のニーズに対応するためには、学生時代に習った知識・技術を常にバージョンアップさせ、対応できる環境を整えておく必要もあるため、一生涯、学び続けることが重要なのです。■ 若手はどのように学んでいけばよいか 学生時代は受け身での学びが多いですが、社会人になると組織への貢献が第一であり、自分から学ぶ姿勢が要求されます。苦手とする分野や歯科衛生士としての専門性を学ぶのも大事だと思いますが、もっとベーシックな社会人としてのルールやマナー、社会秩序にのっとった行動を身につけ、医療人としての立ち位置を意識してもらいたいと思います。歯科衛生士は人と向き合う職業ですから、まずは社会常識と人間性を兼ね備えた社会人となること、そのうえで医療人であることを自覚すべきでしょう。挨拶、正しい言葉づかい、時間・約束を守るなどの基本のマナーを身につけ、一般常識に精通し、生活習慣を整え自己管理ができること、「ほう(報告)・れん(連絡)・そう(相談)」といった仕事を円滑に進めるための姿勢などを意識することです。 インターネットで情報はすぐ手に入り、歯科衛生士を対象とした講演会やセミナーは数多く開催され、情報過多時代の今、何から学んだら良いのか迷うことも多々あるかと思います。やみくもに受講してもお金と時間の無駄づかいです。「自分がどんな歯科衛生士になりたいのか」「どんな活動をしたいのか」などの目標や、「今、何に興味があるのか」「何を知りたいのか」などの目的を持って、参加することが大切です。また、迅速で的確なパソコンに慣れてしまうと、「短時間で情報を処理し結果重視」となりやすくなる傾向がありますが、学びのプロセスを大事にし、さまざまな経験をして教養を高め、感性を磨き応用力を学ぶことも大切だと思います。さらにスタディグループなど、目指す方向が一緒の仲間と学ぶことも、共有感とともに継続的に学ぶモチベーションを維持させるためには有効です。 また、学生時代に習った知識だから間違いない、著名な○○先生が講演していたから正しいと固執せずに、常識を疑う柔軟な頭で考えたり、自分で見極めたりすること、多少のリスクがあっても挑戦すること、行動の結果を検証して他者からのアドバイスに耳を傾け、次の行動を起こすこと、つまり、失敗を恐れずに行動を起こす実行力と、素直に意見に耳を傾けて反省するステップは、経験から学ぶことになるでしょう。 学びの場は、セミナー受講や本を読むなどの自己啓発ばかりでなく、院長先生や職場の先輩などから教わること、患者さんなど人との出会いや日々のやり取りを通じて学べること、一生懸命仕事に取り組むことで自分の経験から学べることなど、意識してみると私たちの周りにはたくさんあります。いずれにしても、好奇心や向上心を持ち続け、自分を磨く努力を意識することが学びにつながり、ひいては主体的に価値を生み出せるプロフェッショナルな歯科衛生士として、成長できるのではないでしょうか。21

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