デンタルアドクロニクル 2012
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歯科界のトップが語る68ンピュータの最高のポテンシャルを使うためには、どうしても世代交代を検討しなければならないのです。 といって、一気に全部を入れ換えるのは大変ですから、タイミングを見ながら、あるセクションを入れ換えていくことになるのでしょうか。その際、単純にコンピュータだけ、デジタルX線だけ、CTスキャンだけの入れ換えですと、非常に問題が生じる恐れがあります。森田 私どもは可能なかぎり、従来からのユーザーが負担を少なくアップグレードできるように考えてやっています。最先端の先生は、一番いいものを、価格の高い時期に買われますから、リスクも高いし負担もかなり大きいと思いますが、普及時期に入って、技術開発も価格もだんだん安定してくるまで待っていると、遅れてしまうことになりかねません。そのためにも、アップグレードによって、先生方にもできるだけ誠実な対応ができるように……。 当社はインプラントだけではなくて、いろいろな製品を扱っていますから、一つのビジネスで先生方の信頼を失うと、全部に影響してしまいます。先生の信頼を失っては元も子もありませんから、必ず一つひとつを確実にすすめていくようにしています。国際デンタルショーで大好評を博した「ソアリック」勝山 ここまで、CTを中心とした歯科用IT機器について、㈱モリタの方向性、森田社長の製品に対するこだわりをうかがってきたわけですが、次に、昨年のヒット商品である「ソアリック」についてうかがいましょうか。 2011年3月に、ドイツで行われた国際デンタルショーで発表・展示されて、大好評を博しましたが、このチェアは、従来の「人間を中心としたデザイン」pdスタイルである「スペースライン フィールシリーズ」の延長線上にあるのでしょうか。また、ドイツで発表したということは、海外戦略の一環でもあるのでしょうか。森田 1960年代、まだ円が360円の時代から、海外のディーラーとのお付き合いがあり、その頃から、当社は海外に診療用のユニットチェアを輸出していました。60年半ばから70年代は、Dr.ビーチの「スペースライン」が登場し、そのシステムに共感していただいた先生方やディーラーさんが、海外で頑張って販売してくれたという時代がありました。1985年のプラザ合意の円高以降は、価格面の関係もあって、海外では診療台は売れにくくなってきていました。とはいっても、より人間工学的に人にやさしい診療環境をつくるということは、当社の変わらざるポリシーですから、私どもも診療ユニットについては、国内外で積極的に販売努力を重ねておりました。 今度、開発した「ソアリック」は、ドイツの著名なデザイナーの方にデザインしていただきました。今までのモリタというのは、性能はよくても見栄えがよくない、デザインが今いちパッとしないという面がありましたが、見た目も大事に、最新の診療空間にもマッチするデザインの製品を開発しようと、考えを変えてみました。 その最たるものが「ソアリック」です。その中にpdの考え方、「やはり使ってみたら使いやすい」というモリタならではの良さを、デザインと組み合わせています。先生方は見た目が「いいデザインだな」というところから入られると思いますが、使ってみたら、「ああ、使いやすい」と必ず思っていただけると自信を持っています。基本理念としては「スペースライン」の延長線上です。勝山 「人にやさしいユニット」については、とりわけ患者様のニーズが高まってきているようです。その一つは、歯科医療自体が完全に二極化してきていることです。つまり、シンプルで低コストの治療を望む患者様のグループと、高いレベルで安心・安全といったことに非常に高い関心を持った患者様のグループがおられます。とくに後者のグループには、長い時間チェアに座る患者様たちもたくさんおられて、患者様の意識レベルが非常に高くなっています。 もう一つは、先ほどの話に戻るのですが、チェアを取り巻く環境は、デジタルX線、CTスキャン、デジタル印象、光学データ用のカメラなどが、それぞれバラバラで後付けになっています。このチェア自体が、それらのデータを全部見ていく集中センターとしての役割を果たしていくといった意味では、従来の「治療するためのイス」という考え方から、いわゆるコントロールセンター的な役割を果たすようになり、今後チェアに対しては、その認識が大きく変わってくると思います。ユニットの役割は各種データの集中センター森田 診療環境の中に、器械の塊がぼんとただ置かれているのではなく、それをセンターにしていろいろな機器がつながっているということは、やはり今後大いに考えるべきところでしょうね。勝山 歯科医療のいわゆる差別化、そして社会に対する認知度を高めるためには、この高度なデータの情報開示こそが、患者様に対して不可欠です。治療するためのデータとしてだけではなく、それらのデータが患者様の意識改革をはかるという点においても、情報を開示していくことが求められます。それも、目の前で、膨大な量のデータを瞬時に見せていく必要があります。そういった点でいえば、まさにこの集中センターの役割は大きいですね。 近年、ヨーロッパ、アメリカなどでも、デジタル印象等の普及がすすんでいますが、日本でもデジタルデンティストリーといった方向にいくと思います。その一つのカギがデジタルインプレッションで、それをチェアの中に取り込むことは、この「ソアリック」の

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