デンタルアドクロニクル 2012
71/192

株式会社 モリタ69コンセプトでもあると思います。日本のリーディングメーカーとして、ぜひ世界のリーダーシップをとっていただきたいと思います。森田 昨年11月のインプラントCAD/CAMミーティングでも、勝山先生がご講演されていましたが、できるだけ実現するようにしていきます。「ソアリック」もディスプレイがあって、患者さんに説明するためのいろいろな情報も載せられますし、操作パネルもそれで兼用できますから、情報センターという形にもなっています。勝山 治療センターのみならず、プレゼンテーションセンターとしての役割もチェアが果たすと……。森田 そうですね。今まで私どもの工場は器械屋です。器械屋がコンピュータのソフトウエア面にもかかわっていくことは非常に新しいチャレンジですが、うちの技術者もそういう新しいチャレンジが好きなので、期待に応えてくれると思います。 ただ、その診療に本当にどこまで必要なのか。私どもは凝りすぎるところがあって、ついついやりすぎてしまうことも時々ありました(笑)。「お金をかけてそこまでやることないだろう」ということもあるので、そこは臨床の先生方にいろいろなアドバイスをいただいて、技術者魂だけが出てしまうという弊害が生じないように、プロダクトアウトではなくマーケットインという考えも取り入れないとうまくいかないと思っています。勝山 センター化にする場合は、他社製品との互換性も十分に考えなければいけないと思いますが……。森田 その点は、相手のあることですから、なかなか簡単にはいきませんが、相互につなげようという動きはありますから、徐々にISOなどによるスタンダードができていくと思います。たとえば、CTのデータなら、DICOMという医療の画像処理の規格から、歯科もだんだんスタンダードになってきています。歯科向けに新たにつくるよりも、今まである一般の規格を歯科に応用していくことで、進展のスピードアップが可能になると思います。勝山 メディカルのデータに関してはDICOM、さらに歯科特有のCAD/CAMのデータという別のセクションがありますから、DICOMとSLAという2つのデータのフォーマットが共有される方向にいくといいですね。 いずれにしても、従来はいわゆる歯科医師のためのユニットセンターだったわけですが、今は歯科医療の進歩よりも、社会全体、産業部門、それに医学の分野の進歩のスピードが速くなっていて、社会的な患者様の認識自体が、従来の歯科医療の枠を大きく超えてしまっています。それだけに、患者様に対する情報開示は不可欠だと思うんです。これは、治療のコンサルティングではなくて、せっかくある重要な情報を患者様にお知らせすること。つまり「治療のためのデータ」から「患者様のためのデータ」の集約センターとすることが重要かと思います。森田 同時に、先生方からは「モリタのチェアは使いやすい」という高い評価がありますから、「患者中心主義」でありながら、使われる先生にも負担がかからないような配慮は欠かせません。今度の「ソアリック」は、マイクロスコープにもばっちり合うんですね。正しい姿勢で診療ができますし、マイクロスコープから目を離さないで、インスツルメントのピックアップができます。上下させても、他社のユニットは斜めにチェアが動くのですが、当社のユニットは、術者と患者様の口の位置が変わらないように垂直に、マイクロスコープも同じ位置で上下してぴったり合っているのです。勝山 私も展示を拝見しました。一般の歯科医には振動の問題などがどうしても伴うのですが、マイクロスコープが一体化しているので、そうした問題もクリアされています。 ここで、私から一つお願いがあるんですが、私たちのようにインプラントを中心とするグループは、一般の診療のほかに手術が非常に重要な役割になってくるわけです。従来のチェアだとどうしても使いづらい面があるので、マイクロサージェリーとか手術専用のチェアとして、手術センターに特化したものも、「ブルマバ」のようなものが国産で出てくればいいなと思います。産学プラス臨床家で日本発の新製品を生み出す!森田 チェア・機器・マテリアルを含めて、もっと日本発の製品・技術を世界に広めること、同時に海外のいいものを日本にマッチしたものに変えて提供していくことも、私どもの企業の大きな役割だと思っております。かつて、接着剤、コンポジットレジンで、日本が世界の歯科医療を変えてきました。しかし、インプラント分野やCAD/CAMに関しては、日本の企業の取り組みは不十分です。 日本の場合、どうしても薬事行政との関係もあって、商品開発面では海外からかなり遅れています。今、日本の最先端の先生は、海外に行けば素晴らしい経験もできるし、情報も得られるという状況です。過去の接着剤の栄光があったように、世界の歯科医療に貢献するような製品開発をぜひやりたいと思っています。それには、企業と大学の、いわゆる産学プラス臨床家の協同が欠かせません。勝山 世界の歯学部を見ると、各種の基礎研究の医局などがあるのは日本だけです。これは、すごいストロングポイントですね。森田 欧米では新技術について、スタディグループがすごく影響力を持っています。日本も素晴らしいスタディグループがありますから、大学の研究室で歯科用材料、新素材が製品化されるだけでなく、もっと臨床サイドからアプローチされた製品開発ができると思います。勝山先生をはじめスタディグループの力と協同して、日本発の製品が世界を席巻することを期待しています。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です