デンタルアドクロニクル 2012
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84させることが明らかになっている1,2。とくにセルフエッチングによる接着材では、接着界面直下の樹脂含浸象牙質よりもさらに象牙質内部で、酸とアルカリに対する抵抗性の高い層が形成される。筆者らはこれをSuper Dentin3,4と称しているが、この層はフッ素徐放性の接着材を用いることで形成が促進されることが判明した5(図5~7)。■ フッ素とバイオフィルムの付着抑制 コンポジットレジンにS-PRGフィラーを添加した製品では、フッ素徐放性のない材料と比較して、バイオフィルムの付着が抑制されることも確認されている6(図8)。 図9は、臨床応用の例として、接着材とフロアブルレジンにGIOMER製品(S-PRGフィラーを含む歯科材料の総称)を用いて、露出歯根面のう蝕治療と周囲歯質のコーティングとを行ったものである。窩洞マージン部は修復材料の溢出を除去し仕上げるのが従来の修復であったが、ここでは窩洞周囲歯質から歯根面のほぼ全域にフロアブルレジンによるコーティングを行った。これによりう蝕感受性の高い象牙質表面の脱灰抑制とバイオフィルムの付着抑制が期待される。図3 a:フッ素がGIOMERからリリースされる。b:フッ素がGIOMERにリチャージされる。c:フッ素のリチャージが完了する。歯質GIOMERフッ素リリースa歯質GIOMERフッ素リチャージb歯質GIOMERフッ素リチャージ後c図4 メルサージュクリアジェル。フッ素のリチャージに有効。ドラッグデリバリー材料の未来

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