デンタルアドクロニクル 2012
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88GIOMERの歯冠修復における可能性リマーにおいては、これに加えてフッ素徐放量が少ないなどの欠点を有していた。 そこで、グラスアイオノマーセメントのフッ素徐放能がその反応相に由来することに着目し、フルオロアルミノシリケートガラスとポリアクリル酸を水の存在下であらかじめ酸‐塩基反応させて反応相を生成させるというPRG技術が開発された。PRG技術の特徴は、修復材自体の劣化をともなうことなく各種イオンを徐放するとともに、イオンを取り込む(Recharge)機能も併せもつ点にある(図1)。■ Material Selectionを考える ビューティフィルⅡは、S-PRG技術を応用した各種イオンを徐放する光重合型レジンである。本修復材は、オールインワンアドヒーシブ(1液性レジン接着システム)であるビューティボンドマルチと併用することによって、前・臼歯部修復を含めてあらゆる症例に対応できるような材料設計がされている。これらの歯冠修復材は、その製品化から内外の多くの大学で臨床試験が行われており、良好な臨床経過については、国際学会においても報告がされている。また、ビューティフィルⅡの機械的特性につコンポジットレジン曲げ強さ(MPa)弾性率(GPa)Universal type ビューティフィルⅡ(松風)124.0 (15.8)12.3 (1.4) A社110.5 (11.5) 8.1 (0.6) B社 88.9 (7.3) 4.7 (0.3) C社 88.8 (5.5) 8.0 (0.5)Flowable type ビューティフィルフロープラス F03 (松風)121.2 (3.7) 7.4 (0.7) ビューティフィルフロープラスF00 (松風) 116.2 (13.3) 7.1 (0.6) A社128.9 (6.1) 7.4 (1.7) B社103.5 (11.1) 5.7 (0.6) C社127.6 (11.1) 8.8 (4.6)表1 市販のコンポジットレジンの3点曲げ強さおよび弾性率。多機能性ガラスコアグラスアイオノマー相表面改質層図2 S-PRGフィラーのガラスコアが光線を透過させるのに対し、グラスアイオノマー相では拡散させる。光線の透過性と拡散性のバランスが、審美的な修復を可能とするカギとなる。図3 硬化させたビューティフィルⅡのSEM像。不定型なS-PRGフィラーが、破壊に対する抵抗性を示すとともに、その硬さはエナメル質とほぼ同等なので、対合歯を損耗させることもない。

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