デンタルアドクロニクル 2012
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92 はじめに:フロアブルレジン? インジェクタブルレジン? 近年、修復用コンポジットレジンの分野では、従来のペーストタイプのレジンに加え、「フロアブルレジン」という新しいジャンルのレジンが続々とでている。フロアブルレジンは、シリンジから直接窩洞に適応できる「流れる」タイプのレジンであるが、その特性によりハイフロー、ミディアムフロー、ローフローと分類されている。また、ノン(ゼロ)フロータイプのものも登場しており(フローがないフロアブル(流れる)レジンとは少々矛盾する用語ではある)、使用にあたってはその選択と用途に迷うところが現状であろう。 さらに、最近では、「インジェクタブルレジン」と称するフロアブルレジンも発売され、「臼歯の咬合面修復にも使える」とパンフレット等には謳われている。しかしながら、「インジェクタブル」とは何?臼歯に使えるとあるが物性は大丈夫? などと疑問を抱く読者も多いのではと推察される。 1. 新しいカテゴリーのダイレクトボンディング用高強度フロアブルレジン[Injectable Hybrid Restorative(インジェクタブルレジン)] ここで、インジェクタブルレジン誕生までの経緯を簡単に示す。フロアブルレジンは、とくに臨床操作性の簡便さをはじめとする臨床的な利点が多いため、それらが市場にでた当初から現在に至るまで、使用する臨床家の数や使用頻度は着実に増加している。しかしながら、開発当初のフロアブルレジンは物性が比較的低かったため、その適応範囲は主としてライニングであり、修復に用いても咬合圧のかからない小さな窩洞や歯頸部窩洞などに限局されていた。 しかし、近年のナノテクノロジーの導入やフィラーの表面処理技術の向上等により、ペーストタイプレジンの物性を上回る高強度フロアブルレジンまで出現し、その結果、種々の直接レジン修復(ダイレクトボンディング)において使用可能となった。Injectable Hybrid Restorativeを用いた高品位MI審美修復冨士谷盛興/千田 彰愛知学院大学歯学部保存修復学講座連絡先:〒464-8651 愛知県名古屋市千種区末盛通2-111982年 東京医科歯科大学歯学部卒業1988~1989年 米国・ハーバード大学・フォーサイスデンタルセンター客員研究員1995年 東京医科歯科大学歯学部歯科保存学第一講座講師2001年 広島大学歯学部保存修復学講座助教授2008年 愛知学院大学歯学部保存修復学講座准教授各論2各論2

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