デンタルアドクロニクル 2013
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巻頭特集2 20河原英雄(かわはら ひでお)医学博士。1941年福岡県に生まれる。1967年九州歯科大学を卒業。翌年、福岡市にて河原英雄歯科医院を開業。2002年、大分県佐伯市にて歯科河原英雄医院(完全保険医)を開業。奥羽大学歯学部客員教授・九州大学歯学部臨床教授・日本審美歯科協会会長・日本顎咬合学会会長などを歴任。著書に『デンタルイマジネーション』『家庭の歯学』『歯科開業学――親父の小言』(いずれもクインテッセンス出版刊)などがある。総義歯が歯科のビジネスチャンスを広げ、歯科を元気づける 超高齢社会にあって、お年寄りの人たちが、歯が20本以上あり、自分の歯で食べ物を噛めるということは、すごくいいことですが、8020運動以前に育ったお年寄りたちの多くは、8020に乗り遅れています。その人たちは、歯がないために食べ物を満足に噛めず困っているのです。 そうした歯のないお年寄りは、全国に600万人から700万人います。そのほとんどが総義歯の患者さんです。ただ、一般開業医の多くは、保険による総義歯では採算が合わない、保険では十分なものがつくれないからと、総義歯にはあまり熱心ではありません。 ところが、この600万人、700万人という市場は、現在の歯科にとってはものすごく大きなビジネスチャンスです。つまり、保険であろうと、なかろうと、まずその600万、700万の人たちが満足できる入れ歯をつくれば、歯科は確実に元気になるのです。 私は、昨年、新聞・雑誌等で「入れ歯で噛めること」が、寝たきりの方や認知症の方の症状を回復させている事実を発表してきました(医学的にいえば個人的見解と注釈すべきですが)。現実に、入れ歯で硬いものを噛むことは脳を刺激し、無表情だった顔に笑顔が戻り、会話ができるようになったり、寝たきりの方が立ち上がって歩けるようになったりした患者さんがたくさんおります。それには、硬いガムを噛むガムトレーニングを推奨していますが、噛むことで顎関節や唾液腺を刺激し、その刺激を受けて脳が活性化して、認知症などに劇的な改善効果をあげています。噛める入れ歯をつくることは、超高齢社会における歯科の社会貢献だ!歯科河原英雄医院院長 河原英雄巻頭特集2

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