デンタルアドクロニクル 2013
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歯科製品にも、歯科医院にも、デザインの優位性が認められた23という思いが強すぎたようです。 しかし、機能的・性能的に素晴らしいものであっても、デザイン上の魅力がなければ、なかなか市場では認められないのではないかと、反省を含めて考えておりました。技術者にも「その性能・機能もいいけれど、やはりデザインというものが大事だ」ということを言い続けてきて、iFデザインの金賞をとった「Soaric」以降、デザインを重視して製品戦略を考えてきています。 先生方も、手術や治療をきちんと行うことについては、機械の性能さえよければよかったと思われておられたようですが、最近は、患者さんが歯科医院に対して持つイメージ形成に、歯科医院の構成要素である機器類・設備のデザインが非常に重要になってきています。 製品選択の要素として、デザインが大きなウエイトを占めるようになってきており、私たちもデザインを二の次にした製品戦略では、遅れをとってしまうと考えております。医院の空間はトータルデザインが命佐々木 患者さんは歯科医院に行くことがストレスなわけですが、原先生は歯科医院を設計するにあたって、それを解消することを考えて設計されている……。原 患者さんは医療を受ける前に「不安」を抱えています。歯科医院という空間に入った瞬間から、その空間で待っているときも、患者さんは精神的にはすでに治療が始まっていると考えています。空間というのは、人の気持ちや心理まで変えてしまうのです。ですから、私が歯科医院のデザインをするにあたっては、その空間をいかに居心地よく包み込むようなものにしていくか、という面からスタートします。 機能だけを追求するのではなく、視覚的な面をとくに重要視していますね。たとえば、ユニットならユニットを、極端な言い方ですが、「道具・物が置いてある」というとらえ方をしています。その物だけが主張しても、いいハーモニーにならないんです。 それを色彩などで、どういうふうにトータルにハーモニーあるものにしようかと考えます。トータルに考えて、その先生が何を主張したいのか、何を患者さんに訴えたいのかを把握して、空間をつくるわけです。 今回、モリタさんの「Soaric」が金賞をとられたことは、私もすごくうれしく思っている1人です。見た目もきれいだし、最新の技術が「Soaric」には入っていると思います。今までは、ユニットだけがすごく主張してしいました。そのため、患者さんには、単に治療する機械のように見えてきて、怖くなってしまっていたと思います。 「Soaric」はものすごくシンプルで、空間に対応してくれています。いろいろな先生に聞いてみても、「あれは使いやすい。今すごくヒットしている」とおっしゃいます。やはり空間をとらえるという点では、私たちも先生方も同じ意識なんですね。佐々木 グッドデザインの製品は、先生にとっても、オフィスのデザインをするときにも、しやすいわけですか。原 そうですね。それは物によりますが、グッドデザインは私も2回いただいており、その経験をもとに考えると、グッドデザインの製品は機能性を追求し、デザイン的にシンプルなものが多いです。ですから、空間デザインと調和してくれます。「Soaric」の金賞W受賞でデザイン重視の製品開発に佐々木 森田社長は、「Soaric」の開発について、何か特別な思いがあってつくられたのか、開発にあたって考えられたグッドデザインたるべき何かがあったんですか。森田 「Soaric」は、ドイツのデザイナーとの出会いから始まっています。時として日本の技術者というのは、元のデザインをちょっといじってしまって変になってしまうところがあるのですが、「Soaric」については、技術者たちも、いかに元のデザインを生かして具現化するかを重要視して開発してきました。 今までなら、「コストダウンのために、ここはちょっと妥協しましょう」などということがありましたが、「Soaric」はオリジナルのデザイン最優先、妥協なしに製品化しました。 これは、「デザインでは売れない。やはり機能・性能だ」という技術者の観点を、少し変えていくきっかけにはなったのではないかと思います。実際に、「Soaric」が多くの先生方に評価される

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