デンタルアドクロニクル 2013
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中堅歯科医師と業界のトップが語る前の準備の段階で、先生方にプログラムなどを見ていただきながら、「これを見たほうがいいよ」「この先生のとくにこの症例に注目すべきだね」「この先生の発表と聴衆との温度差を確認してきてほしい」というアドバイスを受けるようにしています。 準備を入念にして目的をはっきりしておけば、学会当日の予測ができますね。この予測がしっかりできていれば、必要情報をヌケやモレもなく持ち帰りやすくなりますし、予測と異なった最先端の発表や反応を敏感に察知できるので、新しい器材開発を、さらに一歩早くすすめることができます。必要な製品は、きっちりと薬事を取得し、お届けする!寺内 茂久田さんがすごいと思っても、日本では薬事法の問題があって、その障害を乗り越えなければいけないですね。何か特別な対策みたいなものはあるのですか。茂久田 薬事的に無難なものだけを取り扱おうと目線を下げてしまうと、製品の新規性・実用性・おもしろみも失うことになりますので、「日本に何が足りないのかを第一に考える」ことで、目線はいつも高く持つようにしています。 一番理想的な製品を常に追い求めていけば、法律も変わり、臨床も変わるのですから、時が正しく解決してくれます。私たちが妥協するのではなくて、世の中が良いほうへ変わっていくのを待つほうが、医療人としては正しいと信じ、毎日がチャレンジの連続ですね。座長 臨床家の立場からみても、薬事の問題にはいろいろ歯がゆい思いをすることも多いことと思います。並行輸入に頼る方法も、最近では薬事からの締め付けが厳しくなりつつあります。アメリカでは、薬事の問題はどうなっているのですか。寺内 FDAは、クラス1とかクラス2とかに分かれています。クラス2といっても意外にシンプルに認可が下りてしまうのに、日本だとなかなか下りないことが多いですね。 先日、ブキャナン先生にハンズオンコースをやっていただいたとき、先生が指定した器具・器材を日本で取り寄せようとしたのですが、6割もの器具・器材が入手不可能でした。それらは、アメリカではFDAで認可されているもので、もっとも人気が高くてポピュラーに使われているものです。 ブキャナン先生は、どこかのメーカーに特化することなく、良いものだけを集めているんです。アメリカでも人気のあるブキャナン先生のハンズオンコースを、日本でアメリカと同じにやろうとしたら、6割の器具・器材が入手不可能という体たらくです。ですから、日本の先生はそういう良い商品が海外にあっても、日本では触れる機会さえもないのです。実際、受講した先生のほぼ全員が「ハンズオンコースで使用した器材がほしい。どうやって入手するの?」とか「分けてくれないか」とおっしゃっています。 日本で海外と同じレベルの治療をするのなら、まず薬事法の改正をしていただきたいですね。FDAで通ったものは日本でも流通可能といったように。しかも、日本で売るために薬事法を通すには、1個の器具を入れるのに、1,000万円かかるんです。すると、メーカーさんも慎重にならざるを得ません。その結果、日本の医療はどんどん遅れをとり、歯科ではグローバルのスタンダード・オブ・ケアがなされないという、悪循環になってしまいます。 器材・器具はその使い方・メインテナンスまで指導する!座長 スタディグループのコンセプトを元に、さまざまなキット製品があり、日々臨床でも使われています。米澤先生は、オリジナル性についてどう思われますか?米澤 バーに関しては、日本人の先生方の考え方でつくっているようです。海外も日本のメーカーも細かく対応してくれて、形態などはオリジナル性が高いです。ただ、それが外科セットなどになってくると、あまりオリジナリティーはないのでは……。青井 私が所属したスタディグループでもありませんね。寺内 何か集めてきて、みたいな感じで……。青井 そうそう。集めることが楽しい(笑)。私のコースでも、講習会の費用の中に外科器具をセットにして、お渡ししていますが、その中でいろいろな器具を使ってみて、「これがいいな」と思ったもの、「もうちょっと削りたいな」と思うものがもちろんあります。昔、血液トラップをバキュームで考えたんですね。それは商品化されて、Ryota Aoiで「RAトラップ」というのですが(笑)、これはあまり知らないと思います。このトラップは、医院の中でいろいろ実験しました。強化プラスチックではダメで、結局たどりついたのがアルミの10リットルの42

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