デンタルアドクロニクル 2013
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株式会社 茂久田商会歯科医院が得ているのです。コデンタルの生活をよくするのも、歯科技工士の地位を上げるのも、ディーラーを幸せにして、歯科界をよくするためにも、私たちが患者さんから適正な料金をいただかないといけないし、「適正な治療費をいただくのは当然です」という世の中をつくっていくのは、私たちの仕事だと思っています。自分だけ一人勝ちしても、業界がよくならなければ何にもなりません。 寺内先生がおっしゃったように、私たちは高くてもいいから、いいメーカーさんと付き合って、いいものを使って、患者さんからお金をいただいて「歯科は安くないけれど、快適な生活を送れる分、適正なんだ」という世の中をつくらないといけないですね。青井 うそつかないことだよね。患者さんにも、メーカーにも、だれにもうそをつかないことが一番。歯科界は、メーカーをはじめ、スタディグループなど、いろいろな意味で世代交代されています。そういう時期にきているんですね。それだけに、今までの概念・仕組み・やり方などをきちんと見直すときだと思っています。 ネガティブな要因がいろいろあっても、原点に立ち戻って業界全体で考えさせてもらえている、今が底なら上がるしかないという気持ちで取り組めば、人もお金も後からついてきますよ。茂久田 確かに、先生が患者さんに対して示す本質や役割とか、説明の仕方とか、信頼のタームがどんどん長く深くなってきました。今までは、その時に痛みなく噛めたら、患者さんは喜んでまたくる、という程度の認識であったと思います。 今は、その時に「えっ」と思われても、10年後に患者さんに、「あの時、先生がいったことは正しかったな」と理解してもらえたらいいと、非常にロングタームに患者さんの幸せを考えて診療されている先生が増えてきています。この変化に応じて、先生方に商品をサプライするメーカーの動きや考えも、本来変わってしかるべきです。残念ながら、その変化を取り込んで活動しているメーカーやディーラーはまだ少ないのが現状です。 変えないといけない部分といっても、会社の組織・製品をガラリと置き換えるのではなくて、先生方にもう一歩近づいて、先生方のアイデアソースは何で、先生方がしようとしているのは何で、患者さんにその説明をわかりやすく伝えるためには、いま何が足りないのかという、この1点にこだわることだけなんです。先生がおっしゃったように、あくまでも患者さんの幸せをベースにしてビジネスをすすめているわけですから。 若い営業マンの立場になったとき、最終的に患者さんの信頼を得るために、その窓口となってくださっている先生方の信頼を得るために、一番大事なのは「目線とビジョンとやろうとしていることは一緒ですよ」とお伝えすることです。5年前、10年前なら「生意気だ」とか「わからないくせに」と反感をかったかもしれませんが、今はこれこそが先生方から、メーカー、商品、持ってくる人間に求められる本質だと思います。このことを会社としていちいち教育しなくても、新人自身がそれを学んで、自分と商品と情報が成長できるように、下調べと前準備をしっかりできる仕組みを企業内にこしらえることです。 商品と会社と個人のエビデンスが自動的に向上する――この素晴らしい行動を憲章として、全員が認め行動できるメーカーやディーラーが手を結ぶだけで、産・学・臨が一体になって、歯科界が自然と盛り上がってきます。これは小異を捨てて大同につけばそう難しいことではないはずです。座長 アメリカには、リタイアするような歳になっても講演し、若い人たちに教え、中堅の人たちと議論もできる先生が何人もいます。それは、長年のサイエンスバックグラウンドを自分の中に持ってきたからだと思います。 今の日本では、老・壮・若という3つのグループで議論することは、なかなか難しいところがあります。長老の人たちは、何かうまくやっているようだけど、サイエンスがはっきりしないため、若手の先生に教えにくい。若手の人は、エンドやペリオなどは、サイエンスが一番求められるのに、「それがないためいろいろ教えられても……」というので議論になりにくいのではないでしょうか。 本日参加された先生方が長老になったとき、老・壮・若という形に分かれることなく、学会やスタディグループが一体になり、サイエンスバックグラウンドを背景として成り立っていることを望んで止みません。そこに、メーカーや全社員も積極的に参画することで、非常に強力な、患者さんに適切な治療を提供する拠点が完成するのではないかと願っています。47

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