デンタルアドクロニクル 2013
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巻頭大特集1 歯科医療が目指す「生活の医療」とは6 会員約65,000名を擁する日本歯科医師会(以下、日歯)の会長を務める大久保満男氏。現在3期目を務める大久保氏は、就任当初から歯科医療を「生きる力を支える生活の医療」と位置づけ、その考え方を歯科内外へ発信してきました。本欄では、大久保氏に2012年を振り返っていただくとともに、歯科医師会の次なるビジョンについてうかがいました。最重要課題は国民へのアピール――大久保先生が発信してきた「歯科は生きる力を支える生活の医療」は、会員のみならず歯科医療関係者の間にも周知されてきましたね。大久保:2006年の会長就任時から歯科医療は「生きる力を支える生活の医療」と定義し、これまで主張し続けてまいりました。これからもこの考え方が変わることはありません。とくに昨年の本誌でもお話しさせていただきましたとおり、人間が生活していくうえでもっとも大切な「食べる」「話す」といった機能は、歯と口がその役割を担います。その機能を維持・増進させることができる専門職は、われわれ歯科医師をはじめ歯科医療従事者に他なりません。おかげさまで、私が主張してきた歯科医療の考え方が、会員の先生方に広く受け入れられてきたことは、たいへんうれしく思っています。――歯科医療関係者には大久保先生の考え方は理解されつつありますが、国民に対してはいかがですか。大久保:残念ながら、国民には歯科医療の大切さが伝わっていない現状があります。国民の歯科医療に対するイメージはいまだに、極端にいえば「痛くなったら歯医者に行き、削って・詰める」です。本来の歯科医療の目的を国民にどのようにアピールして伝えていくのかが、今後の日歯としてのもっとも重要で最大の課題と考えています。「書籍」と「映像」でアピール――では、国民に対してアピールするための具体的な方策については。大久保:国民に歯科医療の大切さをアピールするための方策として、従来から新聞への意見広告やテレビCMなどはスポット的に活用していますが、どうしても一過性のものになります。恒常的にアピールするための1つとして、今年は日歯からの提言として3冊の書籍『生活の医療』『いのちと食』『3.11の記録 震災が問いかけるコミュニティの医療』(いずれも中央公論新社刊)を上梓いたしました。 これらの書籍は「日歯が初めて出す(書籍)わけですから、エビデンスも含めてわれわれの主張がアピールできる本にしたい」という思いで編集させていただきました。『生活の医療』『いのちと食』の2冊は、われわれが日頃行っている歯科医療の意味、すなわち自分の歯で噛めて美味しく食べることを支える歯科医療を明確にしたいとい 巻頭大特集《インタビュー》日本歯科医師会が目指す「生きる力を支える生活の医療」をさらに推進!大久保満男(おおくぼ・みつお)日本歯科医師会会長。1966年、日本大学歯学部卒業。2000年、静岡県歯科医師会会長就任後、「8020健康静岡21推進会議」を設置し、同県を歯科公衆衛生先進県へと育てあげる。2004年、日本歯科医師連盟会長を経て、2006年、日本歯科医師会会長に就任。

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