デンタルアドクロニクル 2013
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82 マルチイオンを放出する S-PRGフィラー S-PRGフィラーは、表面処理を施した多機能性ガラスコアをポリアクリル酸と反応させることにより、表面改質層の内側にあらかじめグラスアイオノマー相が形成された3層構造を有する白色のガラス粒子である(図1、2)。ただし、通常のグラスアイオノマーセメントのガラスとは異なり、コア材にフルオロボロアルミノシリケートガラスが使用されており、フッ素(フッ化物)イオン(F-)に加えて、ストロンチウム(Sr2+)、ナトリウム(Na+)、ホウ酸(BO33-)、アルミニウム(Al3+)、ケイ酸(SiO32-)等の多種のイオンを放出するというユニークな特徴を備えている(図3)。 蒸留水中での24時間攪拌浸漬によりS-PRGフィラーからの各成分の溶出性を調べたItoらの実験によれば、B、Na、SrはF以上に多く溶出し、とくにBの溶出濃度が高いことがわかる(表1)1。また、従来からのグラスアイオノマーフィラーと比較すると、Al、Na、Sr、FともS-PRGフィラーからの溶出濃度は明らかに高い(図4)。バイオアクティブ機能性材料としてのS-PRGフィラー:その抗菌効果について今里 聡大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座(歯科理工学教室)連絡先:〒565-0871 大阪府吹田市山田丘1-81986年 大阪大学歯学部卒業同年 同大学歯学部歯科保存学講座入局現在 大阪大学大学院・教授各論1図1 S-PRGフィラー。粒径は0.8μmと3μmの2種がある。図2 S-PRGフィラーは3層構造からなり、表面改質層の内側にグラスアイオノマー相(約100nm以下)を有する。表面改質層グラスアイオノマー相多機能性ガラスコア

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