デンタルアドクロニクル 2013
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84は、S-PRGフィラーを約56(wt)%含有するコンポジットレジンを試作し、その硬化体の上でS. mutansを培養した場合の細菌数を、シリカフィラーを配合したコントロールコンポジットレジンと比較した。その結果、S-PRGフィラー配合コンポジットレジン上での細菌数はコントロールよりも有意に少なく、増殖の抑制が確認された(図6)。また、硬化体上に蒸留水を載せてイオンの溶出を調べたところ、表2で示したよりもずっと高い濃度でBが検出され、S-PRGフィラーから溶出するホウ酸イオンがコンポジットレジン表面において静菌作用をもたらすことが推測された。 一方、筆者らのグループは、過去に、グラスアイオノマーセメント硬化体からの溶出液によってS. mutansやS. sanguinisによる酸産生が阻害されることを発見し、さらに、溶出成分中に存在するのと同じF-濃度のフッ化カリウムによって同等の効果が得られることから、グラスアイオノマーセメントから溶出するF-が細菌の代謝抑制をもたらすことを見出した(図7)3。そこで、微小pH電極を用いて、S-PRGフィラーを含有する市販コート材(PRGバリアコート:図8、9)上でのS. mutans細菌数CFU/mL*有意差あり*8x1087x1086x1085x1084x1083x1082x1081x1080コントロールコンポジットレジンS-PRGフィラー配合コンポジットレジンコンポジットレジンS. mutans菌液図6 コンポジットレジン硬化体上で18時間培養後のS. mutans数。表2 S-PRGフィラー配合コンポジットレジンからの各成分の溶出(ppm)。AlBNaSiSrF-0.311.86.61.59.45.670% S-PRGフィラー配合コンポジットレジン硬化体を蒸留水5mL中に4日間浸漬した場合(文献1より引用)。図8、9 S-PRGフィラー配合歯面コート材(PRGバリアコート)。図7 グラスアイオノマーセメント溶出液および同濃度のF-(0.43 mM=約8.17 ppm)を含むフッ化カリウム溶液によるS. mutansおよびS. sanguinisの酸産生抑制。コントロールフッ化カリウム溶液グラスアイオノマーセメント溶出液コントロール034567820406080フッ化カリウム溶液グラスアイオノマーセメント溶出液020406080S. mutans時間(min)pHS. sanguinisバイオアクティブ機能性材料としてのS-PRGフィラー:その抗菌効果について図8図9

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