デンタルアドクロニクル 2013
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7《インタビュー》 日本歯科医師会が目指す「生きる力を支える生活の医療」をさらに推進!う思いが込められています。『3.11の記録震災が問いかけるコミュニティの医療』は、2011年3月に発生した東日本大震災後に企画されたものではありますが、身元確認作業に携わった会員の先生方の活動の記録を歴史に残す、という意味が込められています。 出版後、この種の書籍では好調な売れ行きであることを出版社から聞いていますし、また徐々にではありますが、医療関係者以外の皆様にも興味をもってお読みいただいているようですので、手ごたえは感じています。平成24年度事業計画のなかに歯科医療のアピールを図るための予算が多く盛り込まれていますが、その使い道は。大久保:日歯が本年度重点項目として掲げている「国民へのPR」については、2012年4月、日歯をはじめ関係団体の役員などが一堂に会して開催した毎年恒例の役員合宿勉強会においても議論を重ねてきました。前述した新聞の意見広告やテレビCMは今後も継続的に活用していきますが、ご質問のとおり、平成24年度事業計画のなかに国民へのアピールを図るための多額の予算を盛り込み、会員の先生方からご承認いただきましたので、効果的に使用しなければならないと考えています。 そのようななかで協議を重ねた結果、現在日歯HPで配信している「8020日歯TV」のような内容の番組を、BS放送を利用して発信することが決定しました。ただいま製作中であり、会員の先生方が診療所の待合室などで、その番組を流すことができるようにDVD化する予定です。 これによって、日歯が国民へアピールする書籍と映像の2つの媒体が揃いましたので、多くの皆様に情報発信ができると思っています。健康寿命の延伸に寄与する歯科医療――最後に、歯科が目指すべき今後の方向性についてお聞かせください。大久保:歯科医療は、予防を含めた健康増進と医療を別個に考えてはいけません。わが国は世界に類を見ない速さで高齢化が進んでいますが、平均寿命と健康寿命には約10歳の差があります。厚生労働省が示した「健康日本21(第2次)」にもあるとおり、その差を縮めることが急務となっているわけですので、健康長寿をまっとうするために歯科が貢献できる「食」を支えることがたいへん重要になってくると思います。 私は、超高齢社会における高齢者の歯科医療=「在宅」とは考えていません。診療所に来院される患者さんも含めて支える必要があります。今後より増えてくると予想される、一見すると元気そうな高齢者でも複数の疾患を有しているからです。糖尿病と歯周病の関連や周術期の口腔管理などは医療連携を図り、診療所に来院される高齢者の健康を支えながら、支えきれなかった高齢者には在宅での対応となります。健康な人を支える医療とそうでなくなった(要介護など)人を支える医療の2段構えで、歯科は対応していくことが大切です。 最後に、高齢者を医療で支えることは、けっして70歳あるいは75歳の高齢者をこれまでの健康な状態に戻し、これからも40年、50年生きていくというわけにはいきません。高齢者の医療はその人がどのように自分らしい人生を送るかということを支えることが重要になってくると思います。そのような社会のなかで歯科医療の果たす役割は、よりいっそう注目されることになりますので、歯科医療の大切さをもっとアピールできるように、会員の先生方はもとより学会とも協力して取り組んでまいりたいと考えています。――ご協力ありがとうございました。歯科医師会からの提言食べる――生きる力を支える①生活の医療歯科医師会からの提言食べる――生きる力を支える②いのちと食歯科医師会からの提言食べる――生きる力を支える③3.11の記録震災が問いかけるコミュニティの医療大久保満男/大島伸一編定価:各1,575円(本体1,500円)/発行所:中央公論新社日本歯科医師会がこのたび上梓した書籍3冊。

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