デンタルアドクロニクル 2013
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92 修復、補綴治療時の問題点を補う 「Giomer」 S-PRGフィラーを含むバイオアクティブ機能性材料は、間接覆罩、支台築造、補綴物の接着など、修復あるいは補綴治療のあらゆる面に活用できると筆者は考えている。 たとえば、修復治療の場合、う蝕除去を行い、窩洞が大きく深くなることがある。その際、以前はコンポジットレジン(以下、CR)の歯髄刺激を懸念して、水酸化カルシウム製剤やグラスアイオノマーセメントがその窩底に裏層されていた。 しかし、近年、その歯髄刺激の原因は不十分な辺縁封鎖にあり、CR材料とは無関係であることがわかり、上述の裏層を行うことなくCRのみで窩洞の形態を整えることができるようになった。これにより、CRという物性を生かした歯質とのより強固な接着や辺縁封鎖性が期待できる昨今である。しかし、従来のCR材料のみではフッ素徐放能や抗菌性を期待できなかった。また、接着においても被着面は歯質、CRの2つの側面のプライマー処理をそれぞれ分ける必要があったが、S-PRGフィラーは歯質に使用するプライマーで処理ができるため、処理を分けることなく確実な接着が可能となった。 一方、補綴修復の場合、たとえばブリッジの支台歯形成において、支台歯の平行性を図るばかりに歯髄近くまで形成量が及んでしまうことがある。このような場合、水酸化カルシウム製剤などで覆罩を行うが、歯質との接着は強固なものとはいえず、またリエントリーありきの処置となってしまうという問題点を残している。 そしてこれら修復、補綴治療時の問題点を補う可能性を有するのが、松風社のS-PRGフィラーを含有する一連のバイオアクティブ機能性材料群「Giomer」である。以下、3つの臨床例によって、筆者の臨床におけるGiomer製品の活用を解説してみたい。[症例1: クラウン修復における一連の操作にGiomer製品が功を奏した症例] 患者は、ゴールドアンレーが装着された上顎右側第一大臼歯部の冷水痛を主訴に来院した(図1)。アンレーを除去すると、接着面の隙間から汚れが入り込み、部分的に接着されていない箇所が確認できた(図2)。そこで感染歯質を完全に除去し(図3)、「ビューティフィルフロープラス」にて充填を行った(図4、5)。 その後、再度アンレー形成を行い(図6)、セラミッ補綴領域におけるバイオアクティブ機能性材料の活用について青島徹児青島デンタルオフィス連絡先:〒358-0011 埼玉県入間市下藤沢484-251995年 日本大学歯学部卒業2002年 埼玉県入間市に青島デンタルオフィス開業各論3

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