デンタルアドクロニクル 2013
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97 CRが審美修復だけでなく 機能性マテリアルとして活用できる時代 現在、コンポジットレジン(以下、CR)充填の予知性や審美性は大きく向上し、レイヤリングテクニック(以下、積層充填)といった充填のテクニックやマテリアルの知識も深まってきたことで、誰もが審美修復手段の1つとしてCR充填を活用できる時代がきたように感じる。 そのようななか、ボンディング材ならびにCRは、抗菌作用やイオン徐放性といった「機能性」を有し始め、症例に応じその機能性を狙って使用することができるようになってきた。今後、CR充填はその概念を大きく変え、さらに発展していく可能性を秘めている。すでに積層充填は周知のものとなった感があるが、近年のCRのトピックである「機能性」という側面から、積層充填を再考してみたい。 積層充填の目的 積層充填の主な目的としては、コントラクションギャップの減少と審美性の獲得が挙げられる。以前よりCRの重合収縮は、窩壁とCRとの間に微小な剥離(コントラクションギャップ)を引き起こすとされており、積層充填をすることでコントラクションギャップが軽減できると考えられてきた。しかしながら重合収縮にともなうCR内の応力方向に関しては意見が分かれ、現在では積層充填とコントラクションギャップ減少との関連性は明らかでない1。 このように考えると積層充填の最たる目的は、審美性の獲得といえる。複数のシェードを組み合わせるshaded placement techniqueや、象牙質やエナメル質に相当するCRを解剖学的に真似て築盛していくanatomical placement techniqueを用いた積層充填を行うと、より審美的なCR充填が可能なことは皆様既知のことであろう。 近年のボンディング材およびCRの「機能性」獲得は、積層充填の目的である審美性の獲得に加えて、新たに機能性を応用したマテリアル別の配置という新しい積層充填の概念を生み出したと筆者は考えている。 新しい積層充填の概念: 機能性マテリアルを考慮した積層配置 現在、機能性マテリアルの筆頭には『Giomer』機能性マテリアルを考慮したレイヤリングテクニック池上龍朗富山歯科クリニック連絡先:〒805-0041 福岡県北九州市八幡東区祝町2-13-122000年 九州大学歯学部卒業2006年 九州大学大学院歯学研究院口腔機能修復学講座卒業・学位取得同年4月 水上歯科クリニック 勤務(~2010年4月)2010年6月 富山歯科クリニック開業各論4

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