デンタルアドクロニクル 2014
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100 接着歯学の現状とMI治療 今日、日本のメーカーがつくり出す歯質接着性能は世界をリードし、その接着性能の向上、およびコンポジットレジンの物性、研磨性の向上から歯冠修復においてメタルインレーによる間接法修復からコンポジットレジンによる直接法修復への治療法の移行も進みつつある。 さらに近年、「MI(ミニマルインターベンション)」という言葉自体も患者に浸透してきており、患者が自ら「MI治療を受けたい」と問診票に書いてあるケースも特段珍しいことではなくなっている。いちど削った歯は元に戻ることはなく、患者がMI治療を望まれるのは至って当然のことであろう。MI治療の成功の秘訣としてまず良好な接着性能が必須であるが、過去の製品に見られたような脱落や接着不良による二次う蝕などは減ってきており、良好な長期予後にも十分に信頼しうるレベルに達していることは周知の事実である。そうした今、次に接着材に求められるのは、何らかのプラスαの機能をもったものということになる。 では、コンポジットレジンに求められていることはなんであろうか。理想のコンポジットレジンとは、硬化後に歯質に近い機械的性質をもち、なおかつ高い研磨性を兼ね備えているものと考えられる。現在では、粒径や組成の異なるフィラーを配合し、機械的性質ならびに研磨性を向上させたハイブリッド型コンポジットレジンが主流であるが、レジンに配合されているフィラーの粒径、形態、充填率、組成はレジンの性能を大きく左右するため、さまざまな開発コンセプトに基づき改良が繰り返されている。フィラーの添加によって得られる効果は機械的性能の向上、重合収縮および摩耗量の減少、熱膨張係数の低下、エックス線造影性の付与などが挙げられるが、松風社ではこれに加え、さらにバイオアクティブ機能を有するS-PRGフィラーを開発した。 バイオアクティブ性能を有する S-PRGフィラーの臨床への活用 松風社のコンポジットレジン接着システムでは、歯質接着性材料から修復材料に至るまでこのフィラーを採用し、修復物の物性を変えることなくフッ素徐放性が得られ、また口腔内からのフッ素を取り込むことが可能としている。 また、フッ素以外にストロンチウム、アルミニウム、シリカ、ボロン、ナトリウムのイオンが放出されることも確認されており、修復材料周囲の歯質や口腔内に対して耐酸性の向上、抗菌効果、知覚過敏抑制効果、再石灰化促進効果などさまざまな効果を臨床医として感じるバイオアクティブ性能岸川隆蔵東京都開業 MIデンタルクリニック三宿池尻連絡先:〒154-0005 東京都世田谷区 三宿1-6-1-1F1999年 東京医科歯科大学歯学部歯学科卒業2003年 東京医科歯科大学大学院博士課程修了 博士(歯学)2006年 東京医科歯科大学 う蝕制御学分野 助教2011年 東京都世田谷区に「MIデンタルクリニック三宿池尻」開業現在、東京医科歯科大学大学院 う蝕制御学分野非常勤講師各論4各論4

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