デンタルアドクロニクル 2014
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巻頭特集 110特別座談会妨げるリスクファクターとして、患者側の因子と術者側の因子があります。 患者側の因子というのは、創傷治癒不全を及ぼすような全身疾患、たとえば骨粗鬆症のようなものは、全身的な患者側のリスクになります。局所的なリスクというのは、先ほど塩田先生がおっしゃったような、骨の質とか量とかになります。 もう1つ重要なのは、われわれ術者側の因子で、それは知識や技術などの不足です。初期固定力を得るためのきちんとした術式ができなければ、最初の一次骨接触、つまり初期固定力が得られず、当然、いくら早期に骨が治療しても固定力にはなり得ないことになります。ですから、必ずSLActiveⓇならearly load-ingができるかということではなくて、SLActiveⓇはearly healingが可能なインプラントであり、われわれの技術が足りなければ「早期荷重、即時荷重が大丈夫ですよ」とはなかなかいえないかなと思います。司会:物理的な力を十分に発揮させるための技術も大事である、ということですね。今まで、その点が非常に強調されてきたにもかかわらず、いろいろなトラブルが起こっています。ですから、その大事なところを軽視して治療に臨むと、とんでもない失敗になる、という警告だと受けとめています。 最後に、SLAⓇとSLActiveⓇについて、いろいろな症例をやってみて「従来のインプラントと、こういうところが違う」「ここは優れている」とった点を、改めてお話しいただけますか。塩田:今回の治験から直接得られたわけではないのですが、SLActiveⓇは濡れ性が非常によく、それによって骨を引っ張ってくるということを申し上げてきましたが、そうすると、場合によっては、インプラント体の粗面が露出しているところにも、骨が乗っかってくるような可能性も出てきます。動物実験では、すでにそういうケースもあります(図7、8)。 ただ、先ほども矢島先生がおっしゃいましたように、インプラントの成功にはいろいろなファクターがあります。インプラントそのもののファクター、そして術者、患者さん、もちろんアシスタントなどの能力もあるかと思いますが、インプラントそのもののファクターは、このSLActiveⓇの持つ潜在能力が非常に大きいと思います。 early loadingできるかどうかは、確かに術者の問題、患者さんの問題によって大きく左右されてきます。 ただSLActiveⓇはearly loadingが可能ではありますが、early loading用のインプラントというわけではありません。「では、何だ」といえば、このインプラントは、造語ではありますが、「early healingを可能にさせるインプラントだ」という認識になるかと思います。それが、SLActiveⓇのインプラント側からいった特徴です。矢島:実際にSLActiveⓇインプラントで臨床を行ってみると、埋入窩から血液が濡れて上がってくる感じが、今までのインプラントの表面とは明らかに違うということが、視覚的に見てわかります。こうやって治験でやりますと、早く発売してほしいですね(笑)。 メーカーには、発売したら、塩田先生がおっしゃったように「early loadingのインプラントですよ」という宣伝はあまりしないでいただいて、「早く骨が治るんだ」という売り方をしていただきたい。 また、最初に申し上げましたように、これらの成果はランダマイズド、コントロールド、マルチセンタースタディの治験から得られたもので、これだけ妥当性の高い成果は、他の国では行われていないわけです。日本で最初にやったコントロールされたスタディで、これが正しい結果だと、発売するときにきちんと伝えて、世界に発信していただきたいと思います。司会:すでにヨーロッパでは発売していますが、「日本でこういうことが証明された」ということで、その素晴らしさを世界に発信すれば、大きな効果があると思いますね。 日本での発売が開始され、インプラント治療に大きく貢献されるとよいですね。本日は、お忙しいところを本当にありがとうございました。図7、8 イヌにおけるSLAⓇとSLActiveⓇの骨付着の比較。Bornstein MM, Valderrama P, Jones AA, Wilson TG, Seibl R, Cochran DL. Bone apposition around two diff erent sandblasted and acid-etched titanium implant surfaces: a histomorphometric study in canine mandibles. Clin Oral Implants Res. 2008 ;19(3):233-241. インプラント埋入2週間後、SLActiveⓇはSLAⓇに比べ25%以上高い骨接触率を示した。

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