デンタルアドクロニクル 2014
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14巻頭特集1 私の歩み ―好評書籍の著者が語る“学びの軌跡”―■ 感心できない学習方法の少年時代 習い下手なのは子どもの頃からの習慣のせいかもしれない。子どもの頃、勉強は自分で本を読んでするものと、教育者の両親から教えられてきた。教えられて学習することが苦手な私は、学校の授業はろくに聞かずに、いつも試験前にあわてて本を開いて勉強するスタイルが身に付いていた。そもそも「学習」という言葉は「学ぶ」ことと「習う」ことだが、その点で私は大きなハンディを背負ってきたことになる。■ How dou you think? 歯科医師として学習するにはさまざまな方法がある。講演会、セミナー、スタディグループ、同僚や先輩からのアドバイス、書籍、歯科雑誌、学会誌、学術論文などはいずれもインプットの学習である。これに対して、アウトプットする学習も非常に大切である。自院・医局の勉強会、スタディグループ、学会などでの発表があるが、さらに講演会やセミナーでの講演もアウトプットする機会の1つであろう。アウトプットするためには自分の知識・経験・考えを整理しなければならない。この整理する過程で新たな再発見・再認識が起こることは喜びである。また、整理することは記憶の固定化に役立つ。このようなことからインプットする勉強とアウトプットする勉強のバランスは大切である。したがって、功名心からではなくアウトプットする機会として発表の場をいただくことは自分の学習のために実はありがたいのである。若い先生たちには発表の機会をいただいたら、無理のない範囲内で(笑)、なるべく受けるようにお勧めしたい。 数年前の出来事であるが、さる講演会で講師に受講生が質問をした。「先生は今日そのように言われましたが、〇〇先生の講演会ではこうこう言われました。また△△先生の講習会ではこうこう言われました。どうでしょうか?」と。そのとき講師が言った一言、「How do you think?」。この言葉は非常に心に響くものであった。どれだけ聞いたかよりも、どう考えるかが大切なのであろう。■ 20代~50代の節目の1冊 歯科医師としての「学習」の過程には節目節目に影響を受けた書籍がある。20代にもっとも印象深かったのは勤務医時代に読んだJan Lindheの『臨床歯周病学』であった。当時の私にそれは衝撃的で、時間を忘れて何度も読み返した。とくに感動したのはMelcherの仮説と、これをもとにした遮断膜を応用した歯周組織再生療法の開発の経緯であった。「世水上哲也(みずかみ・てつや)1960年福岡県生まれ、1985年九州大学歯学部卒。九州大学歯学部臨床教授。日本歯周病学会指導医(専門医)、日本顎咬合学会指導医。『インプラントイマジネーション』『歯医者さんを知ろう!!』『ATLASで学ぶ 歯科用コーンビームCT診断のポイント64』『インプラント歯科における骨再生誘導法の20年』『基礎から臨床がわかる 再生歯科』など、翻訳・著書多数。『基礎から臨床がわかる再生歯科』の著者水上哲也基礎から臨床がわかる 再生歯科成功率と効果を高めるためのテクニックとバイオロジー●水上哲也/楠川仁悟/堀之内康文/後藤哲哉/自見英治郎/佐藤敬一郎/高橋 哲/平井友成/佐々木匡理/豊嶋健史/朝比奈 泉:著●272頁 ●A4判変型●定価:本体12,600円(税別)

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