デンタルアドクロニクル 2014
25/196

23編集部が注目! 2014年 今、この人が熱い! 巻頭特集2 長野県の諏訪湖近くにある“さつき歯科医院”に勤務する福井秀和氏は、九州歯科大学を卒業後、スウェーデンデンタルセンター(弘岡秀明院長)勤務を経て、スウェーデン・イエテボリ大学歯周病科に留学した、まさに新進気鋭のペリオドンティストである。 「イエテボリ大学では歯周病学に関する論文を徹底的に読み込みました。また、補綴学や矯正治療学、歯内療法学といった他科に関するものや、細菌学や免疫学、生化学など基礎に関するものまで、幅広い教育を受けてきました。歯周治療はそれ単独で成立するものではなく、患者さんを取り巻くさまざまな情報をリンクさせながら行っていかなければならないという“歯周治療の本質”を学ぶ上で、どれも欠かせないものでした」 実際、イエテボリ大学の専門医病棟(スペシャリストクリニック)では、各科の専門医が積極的にディスカッションしながら包括的な診療を実践しているという。もともと「患者に寄り添う歯科医療をしたい」という医療観を持っていた福井氏は、そんなイエテボリ大学の診療哲学に触れ、その思いが揺るぎないものになった。 「ただし、どんなに学んできたとしても、それを実践できる場がなければ意味がありません。さつき歯科医院に出会ったことは、本当に幸運でした」 ヨーロッパ歯周病専門医、イエテボリ大学公認歯周病専門医、スウェーデン歯周病専門医といった歯周病に関するライセンスを取得しスウェーデンから帰国した福井氏は、メインテナンスを重視する小口道生院長に出会う。学んできたことや医療観を率直に交わし合った福井氏と小口氏は意気投合し、諏訪の地でチームアプローチを実践することになった。チームの一員となって1年が経過した今、じっくりと患者を診ることができる=寄り添うことができることに、あらためてやりがいと喜びを感じているという。 福井氏の臨床スタイルは、イエテボリ大学で学んできたテーラーメイドの歯周治療の実践だ。たとえば歯周治療の基本はプラークコントロールだが、それ1つにしても患者の生活背景や全身疾患などを踏まえないかぎり、期待する効果が得られないばかりか、生活習慣としてプラークコントロールの定着もままならない。また、当然のことながら長期にわたるメインテナンスも必須である。歯周病が生活習慣病の1つである以上、本質的な改善を期待するならば、画一的ではない個々の患者の状態に即した治療やケアが求められるのだ。 福井氏は現在『インプラント治療の迷信と真実』(仮題)を執筆している。本書は大ベストセラー書籍『歯周病学の迷信と真実』(関野愉、小牧令二・著)に続く“迷信と真実”シリーズの第2段である。発刊は2014年9月(予定)。日々の臨床のみならず、トピックスの選定とレビュー作成に目下大忙しだ。 「イエテボリでも、インプラント周囲炎は大きな問題となっています。この書籍では、よく耳にする迷信の解決を目指すことはもちろん、現在明らかになっているインプラント周囲炎に関する知識も盛り込んでいきたいと考えています」Dr. Hidekazu Fukui福井秀和(ふくい・ひでかず)2003年、九州歯科大学卒業後、スウェーデンデンタルセンター(東京都千代田区)に勤務。院長の弘岡秀明氏の推奨により、2010年スウェーデン・イエテボリ大学歯周病専門医養成プログラムに参加。2012年、帰国後、さつき歯科医院(長野県諏訪郡)に勤務。現在に至る。 「 包括的に患者さんを診ることの重要性を強く感じています」書籍 書籍 編集部が注目!

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です