デンタルアドクロニクル 2014
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24巻頭特集2 編集部が注目! 2014年 今、この人が熱い! 福岡県福岡市の「特定医療法人芳香会 福岡天神インプラントクリニック」の院長・山田潤一氏は、昨年の第3回クインテッセンス論文奨励賞への投稿論文「上顎無歯顎に対してガイディッドフラップレスサージェリーを用いてインプラントによる即時負荷を行った症例の臨床成績評価」が高い評価を受け、臨床論文部門・優秀論文賞を受賞した。大規模なクリニックの院長を務める傍ら、九州大学大学院歯学研究院口腔機能修復学講座インプラント・義歯補綴学分野に所属し、福岡歯科大学では臨床准教授として後進の指導にも当たっており、今期からは臨床教授に決定している山田氏。その精力的な活動を裏付けるように、論文奨励賞の選考会では、精緻な研究・考察と、豊富かつ貴重な臨床データの双方が高く評価された。なお、研究の基となった上顎無歯顎患者100名を集めることができたのも、特定医療法人芳香会グループの歯科医師たちの協力あってのことである。 一方、山田氏は自身を「スロースターターでのんびりした性格」と分析する。 「卒後10年間はまったく勉強しませんでした。学会や勉強会にも出席しなかったし、その存在すら知りませんでした」 そんな山田氏にとって転機となったのは、特定医療法人芳香会・田中路子理事長との出会いである。 「父親の医院で8年勤務したあと芳香会に入ったのですが、理事長から『歯科医師として本当にキャリアアップしたいのなら、そのままではいけない』と叱られました。芳香会では以前から一流講師を招いて勉強会を開いていましたが、叱咤されたこともあり危機感を感じていたときに、招聘講師である故・筒井昌秀先生の講演を聴いて衝撃を受けました。そこからです、本格的に勉強を始めたのは」 23年前から博多駅前で歯科部門の医院を構える芳香会は、最新機器の設備、体系化された病診連携、歯科の各領域のスペシャリストの育成などの必要性を開設当初から唱え、歯科界において先駆的にそのすべてを具現化し続けてきた。 インプラント治療もいち早く導入しており、山田氏自身が数多くの症例を手がけてきた。その充実した設備と高い技術力を求め、クリニックにはトラブル症例も多く集まるという。この点について、田中理事長は以下のように語る。 「問題のあるインプラント患者さんは、確かに多く来院します。ただ重要なのは、決して他院の悪口を言わないこと。誰もが最初から高い技術を備えているわけではありません。自分にだってそうした時期があったのに、他の先生を批判するのは、きわめて社会性のない行動です」 そうしたゆるぎない理念のもと、山田氏は今でも日々研鑽を積んでいる。 「現在は複数の海外雑誌投稿用の論文を同時進行で執筆しています。キャリアを積むにしたがって、右肩上がりに勉強量は増え続けています。でないと後輩にも的確に指導できないし、患者さんにもきちんと対応できないですから」 山田氏は笑いながらそう話すが、並大抵の努力ではなし得ないことである。それを可能にしているのは、確固たるキャリアを築いてなお持ち続けている、明確な目標と向上心に他ならないだろう。Dr. Junichi Yamada山田潤一(やまだ・じゅんいち)1991年、福岡歯科大学卒業。特定医療法人芳香会 福岡天神インプラントクリニック院長。2010年より福岡歯科大学総合歯科学講座臨床准教授。同年より九州大学大学院歯学研究院 口腔機能修復学講座インプラント・義歯補綴学分野所属。現在、日本口腔インプラント学会認証医、日本歯周病学会認定医、日本顎咬合学会認定医、南カリフォルニア大学歯学部アンバサダー。「 キャリアを積むほど、勉強量は右肩上がりに増えています」第3回クインテッセンス論文奨励賞第3回クインテッセンス論文奨励賞 臨床論文部門 優秀論文賞受賞

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