デンタルアドクロニクル 2014
88/196

86 S-PRG技術から生まれた Giomer製品 S-PRG技術は、修復材料以外の歯面コート材や裂溝封鎖材料などにも応用されており、松風社ではこれらの材料を総称して、Giomer製品と位置付けている。 PRGバリアコート(図6)は、う蝕リスクの高いエナメル質および象牙質の歯面のコート材で、歯面を保護するだけでなく、S-PRGフィラーからのさまざまなイオンによる歯質の化学的修飾が期待できる材料である。これを塗布することで、物理的かつ化学的にスーパートゥース化することができる。このような薄層から徐放されるイオンは非常に微量である。しかしながら、例えばフッ素であれば、1ppm程度の低濃度フッ素が初期う蝕の再石灰化に効果的であることは、古くから指摘されているところである3。フッ化物製剤(図7)を日常的あるいはメインテナンス時に適用することで、フッ素をリチャージできるので、低濃度のフッ素が長期間徐放され続ける環境になる(図8)。 Giomer製品の効果については、いまだ臨床的なエビデンスの蓄積には至っていないところもあるが、関連の研究も多く行われてきており、これらの結果から、臨床的な効果を予測することは十分可能である。本企画では、これらGiomer製品の臨床の場における具体的な利用法を紹介していただく。図7 フッ素のリチャージに有効なペースト。メルサージュクリアジェル。図6 S-PRGフィラーが含有された歯面コーティング材。図8 PRGバリアコートによるスーパートゥース化。参考文献1. Nikaido T, Weerasinghe DD, Waidyasekera K, Inoue G, Foxton RM, Tagami J. Assessment of the nanostructure of acid-base resistant zone by the application of all-in-one adhesive systems: Super dentin formation. Bio-Med Mater Eng 2009;19:163-171.2. Iida Y, Nikaido T, Kitayama S, Takagaki T, Inoue G, Ikeda M, Foxton RM, Tagami J. Evaluation of dentin bonding performance and acid-base resistance of the interface of two-step self-etching adhesive systems. Dent Mater J 2009;28:493-500.3. Malgolis HC, Moreno EC, Murphy BJ. Eff ect of low levels of fl uoride in solution on enamel demineralization in vitro. J Dent Res 1986;65:23-29.バイオアクティブ材料の予防機能とは

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です