デンタルアドクロニクル 2014
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91㈱松風―2014誌上シンポジウム「予防的機能を有したバイオアクティブ材料」の現在バリアコート群のpHは中性に緩衝された(図7)。[脱灰抑制試験] PRGバリアコートのエナメル質に対する脱灰抑制試験の結果を図8に示す。コートした歯面だけではなく、コートした周囲の歯面までも脱灰抑制しているのがおわかりいただけると思う。これは、PRGバリアコートからの種々のイオン徐放によりコート材直下の歯面をプロテクトするだけではなく、その周囲の歯面にまでも好影響を及ぼしていることを示す(図9)。これらの結果は、PRGバリアコートは臨床的な応用を考えた場合、歯面のみならず、口腔内の唾液やプラークなどへも影響を及ぼすことを示唆している。[フッ素イオンのリリースとリチャージ能の発現] フッ素イオンのリリースとリチャージについての模式図を図10に示す。フッ化物の機能として、フルオロアパタイトを生成することにより、歯質の耐酸性が向上する。また、フッ化物は、糖からの酸産生が抑制、プラークの歯面への粘着性の低下、う蝕原性細菌の発育抑制などの効果がある。PRGバリアコートのフッ素イオン徐放量は表2に示すが、一定期間徐放するだけではその材料としての口腔内へ影響は限定的になってしまう。 そこで、PRGバリアコートからのフッ素イオンのリリースとリチャージ機能についての結果を図11に示す。フッ素イオンの徐放量は、11日以降で一定になるが、1,000ppm NaF溶液に5分間浸漬すると、フッ素イオンの徐放量は回復することがわかる。フッ化物が含有された歯磨剤や洗口液を用いた場合、常にフッ素イオンのリリースとリチャージが起こり、口腔内環境へ影響を及ぼすことが考えられる。 おわりに これまで、PRGバリアコートの機能について述べてきたが、その多機能性のみならず、適応範囲が広いことが特徴でもある(図12)。う蝕感受性が高い部位である萌出途中の永久歯やホワイトスポット、あるいはブラッシングがしづらい部位である矯正用ブラケットの周囲や義歯の鉤歯周囲など、う蝕予防や高齢社会において、適応範囲は広がることが予想される。今後、さらに臨床応用の適応範囲の広がりやその効果に対して期待できる材料である。図12 PRGバリアコートの特徴。バイオアクティブ効果・フッ素リリース&リチャージ・酸緩衝能 ・歯質強化 etc.簡便術式・リン酸エッチング・水洗なし・プライマー処理なし幅広い適用部位・ う蝕感受性の高い部位やブラッシングがしづらい部位など、さまざまなケースに対応接着性(停滞性)・ エナメル質および象牙質への安定した接着性能の発現

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